大成功! 夏の補強で大躍進した歴代Jリーグクラブ6選。もし補強してなかったら…。後半戦大爆発したクラブとは
ガンバ大阪(2014年)
最終順位:1位(19勝6分9敗) 補強期間前順位:16位(4勝3分7敗) 主な夏の補強選手:パトリック 2011年まで黄金期を指揮した西野朗監督が勇退し、新体制となったガンバ大阪は、翌シーズン守備が崩壊しまさかのJ2降格。Jリーグに衝撃が走った。それでも主力の流出はそこまで多くはなく、長谷川健太新監督のもと1年でJ1昇格を果たした。 長谷川体制2年目となった2014年は、序盤にエースの宇佐美貴史が離脱したことで、得点力不足に悩まされ、ワールドカップによる中断期間前は降格圏の16位に沈んでしまっていた。ガンバはこの中断期間で川崎フロンターレやヴァンフォーレ甲府で好成績を残していたパトリックを補強し、得点力不足の解消を試みた。パトリックは期待に応え、9ゴール5アシストと活躍。パトリック加入の相乗効果か、宇佐美も後半戦は9ゴール9アシストと爆発した。 リーグ2位タイとなるシーズン31失点と改善された守備陣に、パトリックと宇佐美を擁する攻撃陣が噛み合い、後半戦は15勝3分2敗と圧巻の強さを見せた。首位・浦和レッズと最大14離れていた勝ち点は見るみるうちに縮まり、第33節終了時にシーズン初の首位に浮上。続く最終節はドローに終わったものの、ライバルクラブが軒並み敗れリーグ優勝を決めた。 この年のガンバは天皇杯、ナビスコカップも制覇し、国内三冠を達成。天皇杯では宇佐美、ナビスコカップではパトリックがそれぞれ2得点を挙げ、この年のガンバを象徴する結果となった。J1昇格1年目のクラブとして初の国内三冠を達成したこのシーズンは、まさに奇跡のシーズンといえる。
北海道コンサドーレ札幌(2017年)
最終順位:11位(12勝7分15敗) 補強期間前順位:16位(3勝3分10敗) 主な夏の補強選手:チャナティップ、石川直樹、ジェイ 2016年までの北海道コンサドーレ札幌は、J1とJ2を行き来するエレベータークラブだった。J1に残留した2001年シーズンを除く2002年、2008年、2012年シーズンは勝ち点が10点台と負けまくり、あっさりとJ2に降格している。2012年にJ2降格を喫した札幌は、翌年から4年間もの間をJ2で過ごすことになるが、2016年にJ2を制覇すると、5シーズンぶりにJ1の舞台へと帰ってきた。 開幕直後の札幌は開幕10試合を3勝3分4敗となんとかもちこたえていたものの、第11節から悪夢の6連敗で一気に降格圏へと沈んでしまう。3バックを敷く中で後ろが重くなり、防戦一方となってしまっていた。都倉賢の高さや福森晃斗のFKなど個の能力が頼りとなっており、攻撃陣の改造は急務だった。 この現状を踏まえ、札幌は夏にチャナティップ、石川直樹、ジェイを獲得。攻撃の潤滑油となるチャナティップ、左ウイングバックとして守備を安定させ4アシストを記録した石川、そして空中戦とボールキープで驚異的な強さを見せるジェイの3選手がチームに順応すると、チームは上り調子に。特にジェイは14試合10ゴール3アシストと驚異的なスタッツを残した。最後の6試合では8ゴール2アシストと爆発し、5勝1敗でJ1残留を決める立役者となった。 最終的に札幌は勝ち点43を記録し当時のクラブ史上J1最高位となる11位に。さらに、札幌は翌シーズンから始まるミハイロ・ペトロヴィッチ体制でクラブ最高位を更新する4位を記録し、2017年から今シーズンまで1度もJ2に降格することなくJ1で戦い続けている。2017年夏の的確な補強がなければ、J1に残ることができずこの成績を残すことが出来なかったかもしれないと考えると、この補強はクラブ史に残る大成功補強といえるだろう。