じつは、分娩だけは陸上に戻っていた…わずか1000万年で海の頂点に達したムカシクジラ「陸との決別」はいつだったのか
クジラ類は次のステップへ
始新世に海洋進出したクジラ類は、順調に多様化を続けていった。 そして、漸新世になって生じた南極周極流は、クジラ類にさらなる“チャンス”を創出する。 南極大陸をぐるぐると回る海流は、暖流と交わることがない。そのため、しだいに冷たく、そして重くなっていく。そして、深海に沈むのだ。 深海底には、さまざまな栄養分が堆積している。深海へ沈んだ海流は、海底にたまる栄養分を巻き上げる。その栄養分は、プランクトンの餌となり、プランクトンが急増。そして、その増えたプランクトンを餌として、「ヒゲクジラ類」が台頭する。 続いては、このヒゲクジラ類の仲間の進化を追ってみよう。 カラー図説 生命の大進化40億年史 シリーズ 全3巻で40億年の生命史が全部読める、好評シリーズの新生代編。哺乳類の多様化と進化を中心に、さまざまな種を取り上げながら、豊富な化石写真と復元画とともに解説していきます。
ブルーバックス編集部(科学シリーズ)