日本より車体がまあまあ大きいってマジ? 欧州バス規格を確かめてみるとビックリする件
■長さ12メートルがキホンの欧州
長さ12mという寸法は、ヨーロッパメーカーの車両ではほぼ共通のようで、筆者の住むプラハで使われているポーランドのソラリスは、大型路線バスモデル「ウルビーノ」がシターロとまったく同じラインナップだ。 全長18/12/10.5mに2.55m幅のボディのみ、地元チェコメーカーSORの大型路線バス「NB」は、全長18/12m、幅は2.55mで、10.5mのタイプは設定がない。 ただ、その代わりに日本のような中型車のモデル「ICN」が用意され、全長10.5/9.5mが設定されており、幅は少し狭い2.525mとなっている。 現行型ICNの前モデル「BN」には、全長8.5mのモデルも存在したが、車体幅は2.525mと変わらないから、ものすごくずんぐりむっくりした見た目である。
■小型路線車ってあるの?
なお、これよりもさらに小さい、日本で言う「小型路線車」に近いサイズのモデルはないのか、という点も気になるが、日本のように同一メーカーの別車種、というものではなく、小さい車種は専門の別メーカーが存在したりする。 実はチェコにある「いすゞ」の子会社が、全長7.8m/幅2.435mの小型路線バス「Novo Citi Life」を販売しており、ポーランドのウッチ市へ45台を納入したほか、チェコの地方都市でも活躍している。 もちろん、いすゞと言っても日本のモデルとはまったく異なり、フィアット製エンジンとアリソン製変速機を組み合わせたものとなっている。
■道が狭くても車幅が広い理由
ところで、そんな幅が広い車種が多いということは、さぞや道が広いのだろうと思うかもしれないが、アメリカのような広大な大陸とは異なり、ヨーロッパの多くの都市は日本と同様、かなり狭い路地が多い。 それでも車体を広くする理由は、座席数の確保にあるように感じた。実際、大型車であろうが中型車であろうが、その多くは横2+1もしくは2+2配列で、座席数はかなり確保されている。 日本と異なり、多くの路線は運転手が運賃収受を行わないため、ドア間の通路が狭くてもあまり気にしない、という点も座席数が多くできる理由だろう。 ただし、このNovo Citi Lifeのような小型車よりさらに小型…となると、さすがにヨーロッパでもマイクロバスをベースにした車両になってしまい、実際狭い路地ばかりの都市部旧市街や、地方の閑散路線では、こうしたマイクロバスが多く活躍している。