最近弱ってきたな……じゃなくて元気だったのに突然死! クルマのバッテリーがいきなりダメになる理由と避けるための対策とは
バッテリーはなぜ上がる?
クルマに長く乗っている人であれば、バッテリー上がりを経験したという割合はけっこう高いのではないでしょうか。その原因はうっかりヘッドライトやスモールライト、あるいは室内灯を消し忘れて長時間放置してしまったというケースが多いと思いますが、なかにはスマホの充電器など、あとから装着した室内のアクセサリーが知らぬ間に電気を消費していて、数週間乗らない間にバッテリーの残量が極少になってしまっていた、なんていうケースも近年では多いことでしょう。 【画像】クルマのバッテリーの種類はひとつじゃない! じつはいろいろある補機類用バッテリー そして、ここ最近SNSや動画配信サービスで「バッテリーの突然死」というワードをちょくちょく見かけるようになってきていませんか? バッテリー上がりの場合は原因がある程度ハッキリしているので、「あー、やっちゃった……」とは思いますが、「突然死」とはあまりいいません。「突然死」というのは「昨日までは元気だったのにねぇ」というように、健康な状態から原因がよくわからずお亡くなりになることを指します。 なかなかバッテリーとは結びつかない言葉だなと感じましたが、調べてみると、本当にバッテリーを上げてしまうようなことをしていないのに、突然使用不能になってしまった、というケースがあるようです。 ここではその「バッテリーの突然死」について、その原因や対策を少し掘り下げてみたいと思います。
■バッテリーの突然死は性能向上の副作用!?
昔からクルマに使われ続けている「鉛バッテリー」は、その内部の化学反応で電気を生み出しています。そのため、内部を構成する電極版やバッテリー液の劣化などで徐々に発電性能が劣化していくのは宿命です。 エンジンの熱や住んでいる地域の気温、充放電の頻度など、環境の違いでその劣化の度合いは異なりますが、だいたいは徐々に劣化が進むので、「あれ? こないだよりセルのまわりが弱くなった?」という感じで劣化の気配をある程度知ることができました。 しかし、バッテリーも進化しています。以前なら寿命は2~3年程度といわれていましたが、近年では4年以上保つものも出ていて、ライフはどんどん長くなっています。 そして、以前の鉛バッテリーであれば、寿命を迎える少し前から徐々に性能低下の兆候が現れていましたが、近年の製品は、寿命の直前まで基本性能を発揮出来るようになっています。 そのことが逆に悪い方向として現れたのが「突然死」といえるでしょう。ギリギリまで性能を維持できるようになったことで劣化の兆候がつかみづらくなり、気がついたらもう手遅れだった、というケースが増えているのではないでしょうか。