最近弱ってきたな……じゃなくて元気だったのに突然死! クルマのバッテリーがいきなりダメになる理由と避けるための対策とは
■「突然死」を防ぐことはできるのか?
前述のように、進化したいまのバッテリーはギリギリまで性能を維持する工夫がされているので、お亡くなりの時期の見極めが困難なケースが多いようです。そのため、日常でクルマを使っていて感じる情報だけでは劣化の兆候をつかみ取るのはカンタンではないでしょう。 しかし、車検や点検のタイミングなどで定期的にバッテリーの診断を行えば、数値で劣化の具合を予測することは可能です。 また、バッテリーの劣化はバッテリーだけが原因ではなく、充放電の具合によっても大きく左右されます。たとえばスマホの充電器などの機器を使うためのアクセサリーを装着したり、あと付けのナビゲーション、オーディオシステムの追加などで電力消費が増えると、もとの車両の想定電力消費量を大きく上まわることもあります。その場合は常に放電が多くなった状態となりますので、サルフェーションなどの劣化が進むでしょう。 あとはここ近年の夏の猛暑でクーラーをガンガン利かせているような状態もバッテリーにとっては過酷です。熱は化学反応を促進させますので、劣化に関わる物質の精製の割合も多くなるでしょう。 それらのことを踏まえて、バッテリーに優しい環境を考えてクルマを運用してやれば、突然死を遠ざけられると思います。 以上は鉛バッテリーを中心とした解説ですが、いまはその鉛バッテリーの進化版といえるドライバッテリーやカルシウムバッテリー、PCやスマホなどの電子機器に多く使われているリチウムイオン電池、そしてリン酸鉄バッテリーなど、さまざまな方式の高性能な製品も出てきています。 それぞれが異なる特性をもっているものなので、もし鉛バッテリーからそれらに換える場合は、しっかりと特性と取り扱い方法を把握しておきましょう。最悪の場合は突然死どころか、発火してクルマが全焼、なんていう惨事になる可能性もあります。
往 機人