店主がん再発で57年の歴史に幕 夫婦二人三脚の町中華 最後の一日に密着
■店主がん再発で閉店「これ以上は…」
東京・春日にある町中華「ラッキー飯店」。行列の絶えない人気店にもかかわらず、この日をもって閉店する理由は…。 義和さん 「(がんの)再発ということで。やりながら『気持ち悪い』と言っていられないので、それでやめることにしました」 去年、治療したすい臓がんの再発です。1度は懸命なリハビリで復帰を果たした大将でしたが、今回はすぐにでも強い抗がん剤の治療が必要となりました。 昌美さん 「相談して、これ以上無理することはないということで。長く来てくれている客がいっぱいいるので、苦しい思いはありますけど」 子どもも跡を継がなかったため、守られてきた味は途絶えることになりました。 常連客 「1年後、復活するんですよね?」 義和さん 「それはない」 昌美さん 「やれば、会社やめて。教われば。今なら箱から何からみんな貸すよ」 冗談まじりの言葉には、寂しさがにじみます。 中には、大将と女将の缶バッジを作ってプレゼントを用意した人もいました。 常連客 「缶バッジです。先週、写真を撮らせてもらって」 途切れることのない行列も次第に数は減り、ついに閉店の時を迎えます。 閉店時間をすぎても、別れを惜しむ人の波は収まりません。子どもたちからもらった手紙は宝物になりました。 子どもからの手紙 「いつもおいしいごはんをつくってくれてありがとうございました。特に好きだったのは、ラーメンやぎょうざ、チャーハンです。おじちゃんも早く元気になってほしいです。大好きだよ!」 スタッフへの労いを終え、2人きりとなった店内。 昌美さん 「本当に楽しかったですね」 義和さん 「良かったと思います。今までの人生でこうやってきたのは」 57年の歴史に幕を閉じたラッキー飯店が長きにわたり愛され続けた秘訣とは? 義和さん 「まじめにやることでしょうね」 「(Q.何をまじめにやった?)そう言われると、まじめでもないんですけど。毎日、同じように作るということかな」 (「グッド!モーニング」2024年11月10日放送分より)
テレビ朝日