塾通いを無理強いしていたかも… 焦りの中、息子とのすれ違いで気付いたこと
子育ては、思いも寄らないことの連続。子どもに向き合う保護者の数だけ、多彩なストーリーがあります。誰かの経験が、別の誰かの背中をそっと押すこともあるかもしれません。 今回は、長男の思うようにいかない塾通いの3年間や、思い切ってやめさせたことによる気付きについての紬起さん(ペンネーム)のエピソードを、ご本人がつづったnoteからご紹介します。 ※以下、ご本人承諾のうえ、投稿内容をもとにご紹介いたします。
外遊び大好きな長男、小6の春に通塾スタート
現在中学3年生の紬起さんの長男が塾に通い始めたのは、小学6年生の春でした。 長男はもともと外遊びが大好きで、宿題は後回しにするタイプだったそう。学校の授業中もじっとしてはいるものの、集中力は続きませんでした。 「記憶力や理解力は人並みなのだと思うのですが、集中時間が短い。 でも、その短い時間の割には結構インプットできます。 ・・・要はやる気の問題? そのやる気が入るスイッチが何なのか、母にはまだわかりません」 (紬起さんの投稿より *一部編集) 遊ぶことの優先順位の高い長男ですが、紬起さんの心配をよそに、塾へ「行きたくない」とは言わなかったんだとか。中学受験をする子が多く、小学3年生から塾通いをする子が少なくない地域だったことも影響していたのかもしれません。 「『おお、俺もついに塾に行くのか』みたいな認識だったようです。 ステータスが一つ増えた、みたいな」 (紬起さんの投稿より *一部編集)
「どうして、急に突き放すようになったの?」
ところが、塾に通い始めて5か月ほどがたった小学6年生の2学期ごろから、長男の通塾へのモチベーションはどんどん下がっていきました。中学の先取り学習が始まったことや、周りに成績優秀な子が多かったことなどがプレッシャーになったのかもしれません。塾だけでなく、学校への行き渋りも始まりました。 一体どうしたのか……と思い悩んでいた紬起さん。ある日、長男から不意にこんな言葉を投げかけられます。 「どうして、急に突き放すようになったの?」 「そうか。 この子は、そんなふうに感じてたんだ」 (紬起さんの投稿より *一部編集) 母親が自分に構わないようになったと不安や寂しさを感じていたのかもしれない。今振り返ってみると、この時点でもっと何かしらの対応をするべきだったのかもしれないという紬起さん。しかし、当時は不安がいっぱいだったであろう長男にこう伝えることしかできませんでした。 「突き放してるんじゃないよ。もう6年生になって、色々今までよりできるようになったからだよ。中学校に入ったら、小学校の時みたいに手伝ってあげれないから、自分でする練習だよ」 (紬起さんの投稿より *一部編集) 長男の表情はさえないまま。紬起さんは、塾という新しい環境に1人で通う長男の不安いっぱいの心に気付きつつも、「周りの子は、もっと小さい時から1人で通塾しているんだし、いつまでも親が送迎したり手伝えるわけじゃないから、どこかで手を離さなきゃ」と心を鬼にしていたといいます。 結局、成績は伸びず、生活態度も緩やかに悪化していきました。