【プレビュー】今季は名物のシケインが改修!カレンダー屈指の高速トラック、モンツァ…F1第16戦イタリアGP |F1
第16戦イタリアGP 概要
サマーブレイクを終えたF1は第15戦オランダGPを経て、2週連続でイタリアGPを開催する。 欧州2連戦の舞台は超高速のモンツァ・サーキット。ロングストレートをシケインやコーナーでつなぐレイアウトは、1周の全開率が70%を超える。平均時速260km/h、最高時速は350km/hに及ぶ“スピードの殿堂”だ。 タイトルレースが激しさを増す後半戦、誰にとっても負けられない戦いが続くが、人一倍闘志を燃やすのはイタリアがお膝元であるフェラーリだろう。モンツァでの最多優勝記録を持つこのイタリアのチームは、シーズン序盤こそ打倒レッドブルの最右翼だったが、中断前に目覚ましい活躍を見せたマクラーレンとメルセデスの台頭により、一歩後退した印象だ。 前戦のオランダGPではチャールズ・ルクレールが3位入賞と意地を見せたが、マクラーレンのランド・ノリスは2位のマックス・フェルスタッペンに22秒以上もの差をつけ圧勝。中断明けの一戦で、ライバルは勢力図を塗り替えるかのような眩い輝きを放った。フェラーリはイタリアGPで同じことができるのだろうか。再びタイトル争いの最前列に戻るため、そして何よりモンツァに押し寄せる熱狂的な“ティフォーシ”のために、フェラーリは負ける訳にはいかない。F1の舞台として長い歴史を持つ伝統のサーキットで勝利を掴むのは誰か。
サーキット(モンツァ・サーキット)のレイアウト
正式名称はアウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァといい、4本のロングストレートを繋いだレイアウトのモンツァ・サーキット。これまでに複数回のレイアウト変更を行いながら、イタリアGPの舞台として、1950年から使用されている。 一番の見どころは、「クルヴァ・アルボレート(パラボリカ)」と呼ばれる最終コーナーから1コーナーまでのロングストレート。F1グランプリの中で最も速度が出るストレートで、2005年の予選ではファン・パブロ・モントーヤが時速372.6kmを記録した。 ストレートエンドのターン1に向かって時速350kmから時速65km近くまで急減速してシケインに侵入するため、ドライバーはブレーキを遅らせる度胸と、タイヤをロックさせない繊細なブレーキングスキルが求められる。 この1コーナーへの侵入が最大のオーバーテイクポイントとなるが、このターン1のシケインは2024年に改修工事が入り、コース幅が少し広くなった一方で、90度のターンよりもやや角度が厳しくなった。また、コース外がグラベルに変わった部分もあり、オーバースピードからそのままエスケープゾーンに退避することも得策ではなくなった。1台だけならターン1&2のエイペックスに付けた最短ラインでの走行は問題ないが、複数台もつれてターン1に飛び込み、どちらも引かなかったために接触する、というシチュエーションも想定できる。 かつてタイトル争いがし烈を極めていた2021年、このターン1への飛び込みでマックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンのどちらも譲らず、フェルスタッペンがハミルトンのマシンに乗り上げるという場面もあったが、コース幅が広くなったこともあり、このシケインでの接近戦は今まで以上に増えるかもしれない。複数台がサイド・バイ・サイドでターン1~2飛び込んでいくシーンも多く見られることになりそうだ。 また、2024年は路面が全面舗装し直しとなっているため、フリー走行の時点で路面状況とタイヤのグリップ感、各コンパウンドのデグラデーションをデータとして収集しておきたいところ。 モンツァは1周の全開率が70%を超えるため、ダウンフォースを削って最高速を重視するマシンセッティングが主流であり、F1マシンのスピードが画面越しでも伝わってくる名物サーキットだ。直線優先のセッティングである”モンツァスペシャル”も、晩夏の風物詩となっている。 ************ 【レース情報】 F1 第16戦:イタリアGP※日本時間 8月30日(金)20:30~フリー走行1回目 8月31日(土)0:00~フリー走行2回目 8月31日(土)19:30~フリー走行3回目 8月31日(土)23:00~予選 9月1日(日)22:00~決勝 F2 ラウンド11:イタリア・モンツァ 8月30日(金)18:00~フリー走行 8月30日(金)23:00~予選 8月31日(土)21:15~レース1 9月1日(日)17:05~レース2 ************