妖精さんの助けを借りて失格のヒュルケンベルグ「押してくれたマーシャルたちは”パーティー”状態だったよ」
F1サンパウロGP決勝の難しいコンディションの中、ハースのニコ・ヒュルケンベルグは27周目のターン1でスピン。バリアに当たるのは避けられたが、縁石に乗り上げ“亀の子”状態となってしまった。 【動画】アイルトン・セナの”愛機”マクラーレン・ホンダMP4/5Bがインテルラゴスを駆ける。ドライバーはハミルトン これによりバーチャルセーフティカー(VSC)が出され、このタイミングでピットストップするマシンもあり、レース展開を左右するスピンとなった。 しかしヒュルケンベルグはリタイアするどころか、マーシャルによってマシンが押し戻され、そのまま走行を続けていた。 だが外部からの手を借りたとして、ヒュルケンベルグはレギュレーションに違反したとして失格となってしまった。ラリーなどではクラッシュやスタックした際、観客もとい”妖精さん”に助けてもらうシーンも見られるが、サーキットではそうはいかなかった。 失格を意味する黒旗が振られたのは、2007年のカナダGPでピット出口の赤信号を無視したとして、当時フェラーリのフェリペ・マッサとルノーのジャンカルロ・フィジケラが失格となって以来となる。 ヒュルケンベルグはレースを振り返り、次のように語った。 「実際、インターミディエイトタイヤでは、まあまあだったんだ。ピットインするまでの長い間、ピエール(ガスリー)とフェルナンド(アロンソ)と一緒に走っていたんだ。だから僕たちはOKだと思っていた。ひどくはなかったけど、素晴らしくもなかった」 「ピットストップの直後、僕たちのレースはどういうわけか……すぐに終わってしまった。そこからすべてが悪くなってしまったんだ」 最終的に失格につながったインシデントについて、ヒュルケンベルグは「彼ら(マーシャル)が出てきて、僕のクルマを押し出したんだ」と説明した。 「彼らは本当にハッピーそうだったよ。彼らは大騒ぎしていて、僕のクルマを押して『カモン、行け! レッツゴー、まだこのレースは終わっていない』と言っていた。その瞬間は何も考えず、正直なところ気にもしていなかった」 「ただ走り続けて、結果は後で処理するんだ」 ヒュルケンベルグがVSCを出したわずか数周後、大雨とフランコ・コラピント(ウイリアムズ)のクラッシュによって赤旗が提示された。 ヒュルケンベルグは失格を告げられる前に、赤旗が提示される中ピットまでたどり着き、最悪の天候に対応した。 「信じられないほどグリップが低くて、(タイヤの作動)ウインドウがとても狭くて、ノーミスで走り続けるのがとても難しかった。とてもタフだったよ」
Ewan Gale/Oleg Karpov