【毎日書評】「must(するべき)」思考から解放、折れないこころをつくる近道は?
解放への3つのステップ
「must」の意識が強い人は「きちんとしているべき」との思いが強く、がんばり続けようとしてしまいがち。 しかしそれでは、自己否定感が大きくなってしまって当然です。そこで著者は、「must」で苦しんでいる相談者に以下の3つのステップを提案しているのだそうです。 1.「must」と「want」を分ける 最初のステップは、「must」の声と「want」の声を分けること。 「休みたい」「自由になりたい」といった「want」の声と、「なまけたらダメだ」「努力しつづけるべきだ」「自由になりたい」といった「must」の声がこころのなかで同居していると理解し、それらを客観的に切り分けていく。そうすれば、相反する声の存在について知ることができるわけです。 2.なぜ「must」が生まれたのかを知る ふたつ目は、自分が歩んできた歴史を振り返ること。生い立ちから家族構成、これまでの人生での大切な出来事などを書き出してみれば、“なぜこころのなかに強い「must」ができあがったのか”、その過程や理由が見えてくるのだといいます。 「must」の正体がわかると、「いまは過去とは状況が異なるのだから、“must”の声に従う必要はない」と実感できます。そうなれば確信をもって、「must」から自由になれるのです。(145ページより) 3.自分を許し、愛する 「must」から解放される3つ目のステップは、「自分を許し、愛する」こと。「長年苦しみながらも、なんとかここまで投げ出さずにやってきたんだ」というように、「must」に縛られている自分を許すことができれば、あらためて最初の一歩を踏み出せるということです。(131ページより) 死を意識すると、一日一日を大切に生きることにつながるという話はよく聞きます。 しかしそれは、不安についてもあてはまることでもあるでしょう。不安を味方にすれば、よりよい日常を送ることができるようになるということ。そうなるために、本書をぜひとも参考にしたいところです。 >>Kindle Unlimitedの3カ月無料キャンペーン【10/20まで】 Source: NHK出版
印南敦史