核兵器巡るロシアとイランの情報共有、米英が懸念強める
(ブルームバーグ): イランが核兵器製造に近づく可能性のある機密情報や技術をロシアが渡しているのではないかと、米国と英国が一段と懸念を強めている。
ウクライナでの戦争を続けるロシアにイランが弾道ミサイルを提供し、その見返りとしてロシアが核兵器を巡る情報や技術を与えている恐れがある。
事情に詳しい欧米の当局者によると、ロシアはここ数カ月、核兵器取得を狙うイランとの協力関係を強めている。複数の当局者が非公開情報だとして匿名を条件に語った。
当局者によれば、スターマー英首相がホワイトハウスでバイデン米大統領と会談し、外交政策に関する戦略会議を行う中で、この問題についてワシントンで米英当局による協議が行われた。
当局者は、憂慮すべき事態であり、ロシアとイランの軍事関係のエスカレートだと表現した。
イランがロシアに弾道ミサイル引き渡しへ、ウクライナ同盟国が予想
ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)報道官によると、バイデン政権はイランの核活動について依然として強い懸念を抱いている。
同報道官は14日、バイデン大統領はイランによる核のエスカレーションを防ぐためにあらゆる国力を活用する用意があることを明確にしていると述べた。
ロシア外務省とウィーンの国際原子力機関(IAEA)にあるイラン大使館は、コメント要請に応じなかった。
主要7カ国(G7)外相は14日の共同声明で、「イランの弾道ミサイル輸出およびロシアによるその調達を、可能な限り最も強い言葉で非難する」と表明。イランに対し「ロシアによる違法で不当なウクライナに対する戦争への全ての支援を即時に停止」するよう求めた。
原題:Russia Sharing Nuclear Secrets With Iran Fuels US-UK Worries (2)(抜粋)
--取材協力:Jenny Leonard.
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Alex Wickham