『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で注目のケイリー・スピーニーが語った「父を知らなかった幼少期、そして今の私」
若手ハリウッドスター、ケイリー・スピーニーさん。最新作『シビル・ウォー アメリカ最後の日』では、若き勇敢な報道カメラマンに扮します。言葉の端々に機知と芯の強さがあふれる、唯一無二な彼女のスタート地点、そして現在地について。 旬のスターのインタビュー&写真はこちら
ヴィジョンあるユニークな監督たちと組めて幸せに思う
── ケイリーさんがアレックス・ガーランド監督と組むのは、ドラマ『DEVS/デヴス』に続き、今作『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で2度目です。彼の作品の特徴は、その寓話的なアプローチにあると思います。あえて個々のキャラクターの感情には踏み込まないというか。そのことは、演じ手としてどう考えますか? ケイリー・スピーニーさん(以下、ケイリー) 世界観の構築がすごいですよね。主題は、これまでならAIの問題とか、今回でいえば世界の政治状況とか、アメリカとか。いつもある問題を提起していて、それが作品の出発点のようなもの。でも、キャラクターにはちゃんとハートがある。人間やその複雑さ、関係性、ユーモアを中心に物語を描こうとしていると思います。 時々、彼の映画を冷たくて怖いと感じる人もいるだろうけど、実は心がこもっていて。それが彼という人間を映し出しているような気もするんです。つまり一見かなり威圧的ですが、本当は人々や世界のことをとても深く考えている。そんなふうに、アレックスと彼の映画の間にはある種の類似性があって、そこに惹かれるんです。 ── 監督にはこれまで2回インタビューしていますが、彼自身も、彼の映画も知的ですね。 ケイリー ええ、もう明らかに。でも、彼は観客のことも知的だと想定していて、それが私には新鮮です。だいたいの監督や製作会社は、観客に対して物事をもっと事細かに説明する必要があると感じています。実際、製作会社の人が「観客はそれほど賢くない」と言うのを聞いたことも。すると彼はきっぱり、「いやそんなことない。私は大人のテーマについて、大人と会話しようとしているんだ」って。彼の映画作りで好きなのは、観客を巻き込むところ。だからこそ、あえて答えを与えていないんです。