<独占インタビュー>松田が語るメジャー断念、ソフト残留の真相
海外FAを行使したが、ソフトバンクに推定4年16億円で残留した松田宣浩(32)が20日までにTHE PAGEの独占インタビューに応じ、メジャー断念、チーム残留に至った真相を明らかにした。侍ジャパンの一員として参加した「プレミア12」が終了した11月9日に海外FAを宣言。その後約2か月間悩み抜いた末、12月24日にチーム残留を発表していた。その間、沈黙を守り、残留決定後も多くを語ってこなかった。 ――海外FA宣言をした時「え?」と思いました。 「誰もに『ビックリした』と言われました(笑)。そもそもメジャーに興味はありませんでした。海外FA権を取得したときに『興味はない』と残したコメントを自分でも覚えています。でも、日本一という目標を達成して、さてFAの権利をどうしようかと自問したとき、アメリカの話はゼロじゃない、という話が耳に入ってきました。『じゃあ、俺がやってきた野球の評価は、どうなんだ。その先に何があるのか』と考えました。メジャーの話を聞いてみたかったんです。それが本音です」 ――実際にパドレスや複数球団が興味を示しました。 「宣言した後、行くか、行かないかの気持ちは、5分5分で常に揺らいでいました。パドレスのGMとも会い、日々、どんどんと行ってみたいという気持ちが強くなっていて、12月19日には、『もう行こうかな』とメジャーで固まっていました。そのときアポもなく、突然、王会長から電話がかかってきたんです」 ――報道によると「一緒にやろうと思っている」と声をかけられたのですね? 「『俺の気持ちを言いたかった。色々と考えることがたくさんあるが、来年も一緒にやるつもりでいるからな』と。そして『日本でやることまだたくさんあるぞ』とも言っていただきました。僕は『はい、わかりました』と答えて電話を切ったんです。翌日に、『やっぱり(メジャーに)行きます』とは、言い出せませんでした。もし、あの電話がなければメジャーに行っていたと思います」 ――ファンや選手の残留コールも胸に響いたとか? 「家族と福岡の町を歩いていても、『メジャーで頑張って!』よりも、『チームに残って』と声をかけてもらうほうが、多かったんです。ずっとメジャー移籍を希望してきたマエケンならば、逆に『残って!』より、『メジャーで頑張って!』の声が多かったんだと思うんです。立場や状況がそれぞれ違いますからね。でも僕の場合は、『残って!』と言っていただけるケースが多くて、色々と考えました」 ――ハワイへの優勝旅行中に他の選手からの声は? 「『行ってみたら』という選手と、『残って一緒にやろう』という選手と半々でした。FA資格の取得までまだある選手や、すでに得た選手もいて、考え方がそれぞれでした。そういう声を聞くと、ますます迷いました」