神奈川県の海老名SAスタートでどっちが先に加古川まで行って帰ってこられる? BYDシールとテスラ・モデル3で1000km対決!
<ゴール>
⚫︎2024BYDシール RWD ・湾岸長島PA上り→海老名SA上り ・走行距離:297.5km ・消費電力量:73%→1% ・平均電費:※5.39km/kWh(185.7Wh/km) ・外気温:29℃→30℃ ⚫︎2021テスラ・モデル3スタンダードレンジ+ ・浜松スーパーチャージャー→海老名SA上り ・走行距離:194km ・消費電力量:72%→8% ・平均電費:6.29km/kWh(159Wh/km) ・外気温:28℃→30℃ 結果としては、海老名SA上りに入る直前で、なんとシールの2台後ろにモデル3が付けていたという超接戦となり、ほんのわずかにシールが先にゴールするという決着を迎えました。というのも、シールはタイムを少しでも短縮するために湾岸長島PAでの充電をギリギリで切り上げたことによって、海老名SA直前でSOC1%表示となってしまい、少しスピードを落として走行。もちろん、湾岸長島PAでさらに数分間充電セッションを長く取っていたらモデル3に負けていた可能性もありますので、まさに史上稀に見る接戦であった様子が見て取れます。 また、1000kmチャレンジ対決での総合電費ですが、 ・シールRWD:※179Wh/km(5.59km/kWh) ・モデル3スタンダードレンジ+:143Wh/km(6.99km/kWh) となり、モデル3が大きくリードする結果となりました。今後、BYDとしては電費向上のために、より高効率な炭化ケイ素を採用するインバーターへの移行であったり、車両重量の軽量化などに着手する必要があるでしょう。 その上で、今回シールはすべての充電セッションで問題なく充電することができたものの、とくに150kW級は隣り合うEVが同時に充電を行うと充電出力がシェアされてしまい、最大でも90kW(=200A)しか発揮することができなくなってしまうという仕様であることから、もしより交通量の多い時間帯に検証を行えば、充電にさらに時間を要する可能性も十分考えられます。 いずれにしても、今回のBYDシールとテスラ・モデル3の1000kmチャレンジ対決は、BYDシールの絶対的な航続距離の長さと安定した充電性能と、モデル3と同じような長距離走破性能が明らかになったと思います。今後、150kW級超の急速充電器の設置がさらに進む計画もあることから、シールを使用してさらに安定した長距離走破性能を実現できることも間違いありません。テスラの安定した長距離走破性能とともに、チャデモ規格の充電ネットワークの進化、そしてチャデモ規格のEVの進化も実感できる結果になったのではないでしょうか?
高橋 優