「全部返品で!!」顧客の娘が激高…「母が馬鹿みたいに買ってきて迷惑だった」店員の対応は?【作者に聞く】
アパレル業界で約10年働いていた経歴を持つゆき蔵(@yuki_zo_08)さん。長く働いてきたので、さまざまな経験を経て、いろいろなタイプの客に臨機応変な対応ができるようになったが、入社して間もないころはなかなか顧客が付かず悩んでいたという。そんなゆき蔵さんに初めてできた顧客が“山口様”だった。今回は、初めての顧客にまつわるエピソードを紹介する。このエピソードはゆき蔵さんの心に暗い影を落とし、のちのちまでとても痛いトラウマとなって残るのだった…! 【漫画を読む】「全部返品で!!」と激高する娘さんの言い分とは…? “山口様”には娘さんがいて、ゆき蔵さんと同年代だった。そのこともあって山口様は、ゆき蔵さんのたどたどしい接客も優しく見守ってくれていた。最初は自分の服のみ購入していた山口様だったが、ゆき蔵さんに相談し、娘さんの服も購入。「あの子、いつも安物ばっかり着てるのよ。たまにはよい物を着てほしくて…。娘にあげても変じゃないかしら?」と心配する山口様に、「お母様からのプレゼントなんて素敵だと思います!」と応援したゆき蔵さんだったが、これがのちのち大変な出来事へと発展していく。 「いずれは一緒にご来店いただけたらうれしいな」と浮き足だっていたゆき蔵さんのもとに、実際に娘さんが来店…しかし、それは“ひとり”での来店だった!!娘さんは激高しており、大きな紙袋をカウンターにドンッと置くと「全部返品でお願いします」と言い放った。一体なぜ?娘さんの言い分や想いとは…?そして、娘さんの想いを聞いて激しく動揺するゆき蔵さんはバックヤードに下げられたのだが、のちに店長からかけられた言葉とは…? トラウマとなってしまった本エピソードは、入社して間もないころのものだが、ゆき蔵さんに当時の話を聞いてみた。 ――娘さんから返品の理由を聞いたとき、当時のゆき蔵さんはどんな気持ちでしたか? ハンマーで頭をぶっ叩かれたような衝撃でした。まさか「迷惑」「いい鴨」だなんて言葉を浴びせられるとは思ってもいませんでしたので…。 ――「いい鴨」という強めの言葉は、実際に受け取るとダメージが大きいですよね。 はい。若かったこともあり、かなりショックを受けました。 ――今のゆき蔵さんから、当時のゆき蔵さんにアドバイスを送るとしたら…? 当時の店長にも言われたとおり「事故だと思え」とアドバイスします。接客業をやっていてわかったことは、正しい対応をしていてもクレームは起きるということです。それは避けられない事故と同じなので理由を考えても意味がない、と長年の経験から学びました。 ――接客業で働いた10年間で、ほかにもとんでもない返品エピソードがありましたら教えてください。 「一回着たら伸びてしまった、不良品だ」という理由で返品に来られたお客様がいました。品物を見てみるとシミ、ホツレが多数…どう見ても一回の着用じゃありません。挙句、品番を確認したら3年前の商品でした。 ――どう対応されたのですか? そのあたりの状況(品物の状態や販売時期)をオブラートに包んでお話ししたら、ヤバいと思われたのかあきらめて帰ってくださいました(笑)。 ゆき蔵さんのブログ「ゆき蔵さんぽ。」には、ほかにも実話をベースに描いたエピソード漫画が満載。ほかのスタッフが遭遇したストーカー客や迷惑客、クレーム客など、実際にあった話を元に描いている。毎日20時30分、多いときは1日に2回(12時、20時30分)更新しているので、ぜひ読んでみて! 取材協力:ゆき蔵(@yuki_zo_08)