「花酵母」で醸造の焼酎からカクテル 「花業界を変える」 福島県のつつじ園26代目、Z世代起業家が斬新なチャレンジ
「世界を1°変える」
「花酵母で発酵させると、香気成分が通常のお酒より5~10倍くらい多くなる。たとえばツツジならリンゴの香りが感じられ、甘みも強い」。 花の種類だけでなく産地によっても酵母の個性が異なるといい、開発の可能性は無限大。バラ、コスモスなど季節ごとの花酵母を使い、季節感を演出するギフトとしての提案ももくろむ。 百貨店などのほか、同社ECサイトでも販売中。各展示会の商談ではバイヤーからの評価が高く、人手不足に悩む飲食店でも手軽に出せるカクテルとして好評だという。 「目指すのは地域に根付くビジネス。福島は日本酒のイメージが強いが、花酵母によって香りを打ち出した焼酎で、福島全体を盛り上げていきたい」。 花酵母の美容や健康に関する機能についても研究を進め、いずれは化粧品や健康食品などへの進出も視野に入れる。 「1°の視点でも変えれば、世界はよくなる」との思いが込められた社名「Ichido」。そのチャレンジは、花業界、酒類業界の双方に、これまでとは少しだけ違った視点を与えてくれそうだ。