がん・脳卒中・動脈硬化の予防にも 健康長寿に詳しい院長が解説する「奇跡の食材」
長生きの秘訣といえば、運動・禁酒・禁煙などだが、続けるのは容易ではない…。でも、実は、もっと簡単に寿命を延ばす方法があるという。それは、食生活。 ■【画像】寿命が延びる奇跡の食材一覧表 おすすめ度も数値化 「医学誌『PLOS Medicine』に掲載された論文によると、“食生活を改善することで寿命が10年延びる”とのこと。食事と寿命に関する研究データは世界中にあり、特に、健康によい食材を優先して食べることが、長寿につながるとされています」(医療ジャーナリスト) 実りの秋を迎え、栄養満点の食材が豊富な今こそ、食生活を見直してみてはいかがだろうか? そこで、有識者協力の元、寿命が10年延びる“奇跡の食材”を紹介しよう。まずは、大病を予防して、寿命を延ばす食材から。 日本人男性の死因第1位は、がん(悪性新生物)。その予防によいのが、ニンニクと、ブロッコリーだ。 「アメリカの国立がん研究所が発表した、がんの予防効果が期待できる食材をまとめた『デザイナーフーズピラミッド』では、ニンニクとブロッコリーが上位に入っています」(前同) 『長生きするのはどっち?』(あさ出版)の著者で、健康長寿に詳しい秋津医院(東京都)院長の秋津壽男氏も、こう解説する。 「ニンニクのからみの成分の硫化アリルと、ブロッコリーの香りの元であるイソチオシアネートには、いずれも、がんを予防する働きがあります」 秋津氏いわく、「ニンニクに含まれるビタミンB6にはタンパク質の代謝を助ける働きがある」とのこと。肉や魚と相性抜群! 庶民の味方である魚肉ソーセージもグッド。 「タンパク質はもちろん、魚の身に含まれるEPA/DHAも摂取できます。EPA/DHAには、血流を改善して、動脈硬化や脳卒中を予防する働きがあるので、一石二鳥です」(前同)
■納豆を夜食べて脳卒中予防
また、脳卒中の予防には、国民食の納豆もよい。 「血栓によって脳の血管が詰まると、脳卒中が起きる要因になります。納豆に含まれるナットウキナーゼには、血栓を溶かす作用があります」(同) アメリカの臨床栄養学の学術誌『AJCN』に掲載された論文では、納豆をよく食べる人は、そうでない人に比べて、脳卒中で亡くなる割合が約3割も低かったことが判明している。 「脳卒中は、夜、寝ているときに起こることが多いので、納豆を食べるなら朝食より、夕食がオススメです」(同) また、日々のおやつでも、健康長寿を手に入れることができる。 「122歳まで生きて、長寿のギネス記録になったフランス人のジャンヌ・カルマン氏は、チョコレートとワインが大好物だったそうです」(管理栄養士) 甘いものと酒は健康に悪そうだが、実は、この2つは大病を予防するという。 「チョコレートの原料であるカカオには、動脈硬化を予防する働きが。また、ブドウの皮や赤ワインに含まれるポリフェノールのレスベラトールが、がんの予防に効果的だという研究結果があります」(秋津氏) 飲酒を控えるなら、コーヒーがオススメだ。 「1日3~4杯のコーヒーを飲むと、大腸がんの抑制効果があるといわれています。また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、脂肪の吸収を抑えたり、食後の血糖値の上昇を抑えたりする働きがあるので、肥満などの生活習慣病の予防にも最適です」(前同) 続いては、体を若く保つための食材。加齢による目の衰えを感じる人には、秋の味覚のナスがよいという。 「ナスに含まれる、ポリフェノールのアントシアニンは、視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果的です。特に、皮の部分に豊富に含まれているので、皮ごと食べられるお新香や煮物で、ぜひ」(同) リンゴなどの果物類も、秋津氏いわく、「口臭予防にもなるので、丸かじりが理想」とのことだ。 北海道の郷土料理の石狩鍋など、これからの季節に定番になるのが、秋サケとキノコの組み合わせだが、それぞれ、中高年には嬉しい効果があるという。 「サケの身に含まれるアスタキサンチンは、ビタミンCの約6000倍の抗酸化力があり、体の老化を早める活性酸素を除去してくれます。肌の若返りにもよいので、見た目から若返りたい人にピッタリ。 また、キノコは、食物繊維が豊富で腸内環境の改善につながります。男性の場合、加齢とともに便秘に悩まされるケースが多いので、ぜひ!」(同)