「生理周期」に合わせて運動するメリット【専門家が解説】
学校の昼休みに母親の筆跡をまね、「生理のため体育の授業は休みます」という手紙を書いた経験がある人は少なくない。最近は生理だからといって昔ほどコソコソ(ブレザーのポケットにナプキンをサッと入れたり)する必要はないけれど、運動と生理は相変わらず相性が悪い。 【写真】生理中に避けたい5つの意外な行動 だから「生理周期に合わせて運動すればパフォーマンスが向上する」と言われても、冗談にしか聞こえない。 にもかかわらず最近は、その考え方が一種のトレンドになっている。イングランドサッカー協会(FA)は、イングランド女子サッカー代表チームが2022年の欧州選手権で初優勝した数年前に「生理周期に合わせた健康戦略」を発表した。また『The Times』紙が報じたところによると、チェルシーFCウィメンのエマ・ヘイズ選手は、ホルモンレベルの低下と女性の反応時間の間に相関関係があると考えている。 そして一昨年、運動科学教育プラットフォーム『The Well HQ』は50名の一流アスリートの支援を受けて、#SayPeriod(生理と言おう)キャンペーンを立ち上げた。このキャンペーンの目的は生理に関する議論をスポーツ界でノーマライズすることにあり、その議論の内容は昨年『The Female Body Bible』という本に掲載された。 当然ながら、テック企業もこの流れに乗っており、最近のApple WatchやVodafoneのアプリ『The PLAYER.Connect』には生理周期を記録する機能が搭載されている。パフォーマンスとフィットネスに関するデータを生理周期と照らし合わせながらチェックできる『WHOOP』という画期的なプラットフォームも登場した。 『WHOOP』は昨年の国際ラグビー大会シックス・ネイションズに向けた準備の一環としてウェールズの女子ラグビーチームにも使用されたもので、これにより選手たちは生理周期に合わせて運動・食事・睡眠を管理できるようになった。でも、その重要性はスポーツ界で長年軽視されている、とThe Well HQの心理学者エマ・ロス博士は指摘する。 「最近は、自分の生理周期に関する知識を実際の経験に照らし合わせると、さまざまなことが見えてくるという認識が高まっているので、これからますます自分の自然な周期を理解しようとする人が増えるかもしれません」