「ショックで失望」パリ五輪100グラムで計量失格のインド人女子レスラーの銀メダル要求をCASが却下…インド五輪委員会が声明を発表
パリ五輪女子レスリング50キロ級の当日計量で体重超過の失態を犯して決勝を戦うことを認められなかったビネシュ・ビネシュ(29、インド)がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に銀メダルを授与される権利を主張して提訴していたが14日、その訴えは却下された。「NDTVスポーツ」や「インディアトゥデイ」など複数のインドメディアが報じた。当初13日に予定されていた評決は、16日に延期される予定だったが、1日の遅れだけで決着がついた。インドオリンピック委員会は、CASの厳しい裁定を受けて「ショックで失望」との声明を出している。 【映像】NBAカリーの妻らがパリ五輪決勝後に会場外で現地警察とトラブった問題映像
ビネシュの訴えはやはり通らなかった。 ビネシュは5日の1回戦で東京五輪金メダリストの須崎優衣(25、キッツ)を破る大金星をあげて、その後、決勝進出を果たしたが、その日に2.7キロも増量。徹夜でサウナや、自転車漕ぎなどの減量を行い、最後は髪の毛まで切ったが、第2日目の当日の計量時刻までに残り100グラムを落とせずに失格となった。 世界レスリング連合の競技規則第11条では「計量(1回目または2回目)に参加しなかった選手及び失敗した選手は、競技から除外され、順位はつかず最下位になる」と定義されており、ビネシュは、決勝を戦うことは許されず、ショックのあまりXで、競技生活からの引退を表明した。 インドオリンピック委員会は、決勝まで進み銀メダル以上を確定させた1日目は、計量をクリアして戦ったものであり、そのメダルは有効で銀メダルを授与される権利を有すると主張してCASに提訴した。CASは審議に時間をかけて10日に出される評決が、13日に延期となり、さらに16日に延期になっていたが、この日、その訴えは却下された。 世界レスリング連合が定めている規則が遵守された模様。世界レスリング連合のトップであるネナド・ラロビッチ氏は「自分たちのルールに従う以外に選択肢はありません」と、失格が覆り銀メダルが認められることに否定的な意見を口にしていた。 この裁定を受けてインドオリンピック委員会は「ビネシュの提訴を却下した8月14日の決定の有効な部分は、彼女とスポーツ界全体にとって大きな意味を持つ。わずか100グラムでの失格は、ビネシュのキャリアだけでなく、曖昧なルールの解釈についての深刻な問題があり大きな影響を与えている」との声明を発表した。 「今回、ビネシュが関わった問題は、アスリート、特に女性アスリートが受ける生理学的、心理的ストレスを考慮していないほど厳格でおそらく非人道的な(現状のレスリングの競技)ルールを浮き彫りにしている。アスリートの健康を優先し、より公平で、合理的な基準の必要性をはっきりとさせた」 過酷な当日計量などの競技運営のあり方について問題提起をした上で、同委員会は、「より深い調査が必要だ」として、今後、なんらかの法的対抗措置を検討していく考えを明かしている。
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