「紀州のドン・ファン殺人事件」裁判の判決が目前、「覚醒剤は頼まれたから買いにいっただけ」元妻の主張は通るのか
■ 状況証拠的には真っ黒 亡くなった野崎氏と懇意にしていたジャーナリストの吉田隆氏は、早貴被告の心境について次のように語る。 「彼女の今の生きる目標は、ドン・ファン殺人事件の裁判で無罪を勝ち取り、ドン・ファンの遺産を手にすることのはずです。だから状況証拠的にどれだけクロに近づいても殺人を認めることは絶対にありません。 早貴被告としては、検察側が野崎氏殺害の直接証拠を掴んでいないことを突くしかない。その中で、覚醒剤の購入に関して、売人が証人に出てきているのに『社長に頼まれたから買いにいった』と主張したのも、相当頭をひねって作り上げた“ストーリー”なのではないでしょうか。 ただ、捜査当局が積み上げた状況証拠はかなり強力です。特にドン・ファンが亡くなった前後、早貴被告が自宅1階と寝室のある2階を8回も往復していたことを、彼女のスマホに入っていたヘルスアプリの解析により割り出した点には執念を感じます。 早貴被告はいま、無罪判決が出ることを祈るような思いで待っているのではないでしょうか」 最終陳述で早貴被告は、「弁護士が何度も言っていましたが、ちゃんと証拠を見て判断していただきたいです。よろしくお願いします」と言葉を絞り出した。 12月12日、和歌山地裁は果たしてどのような判断を下すのか。
神宮寺 慎之介