DMMビットコインの流出事件でユーザーに税金が発生する可能性はあるのか? (村上ゆういち 税理士・公認会計士)
■仮想通貨で補填される場合
次に、流出したビットコインが同等の仮想通貨で補填される場合についてです。この場合、実質的には資産の移動がないと見なされます。以下のように処理されます。 「失われたビットコインの数量」と「補填されるビットコインの数量」が同じであるため、投資家の資産の総額に変化がないと見なされます。「補填された仮想通貨」は、元のビットコインと同等の価値として扱われ、特に税務上の処理は不要です。 つまり、補填されたビットコインが元のビットコインと同じ数量であれば、資産が実質的に動いていないため、課税対象にはなりません。この場合、納税者は特に追加の税務処理を行う必要がなく、補填前と同じ状況が継続されることになると考えられます。 ただし、こちらについては、DMMビットコインの取引履歴上、どのように扱われるか、そもそも取引履歴に失ったビットコインと補てんされるビットコインが表記されてくるのかが不明です。 例えばDMMビットコインの取引履歴でビットコインのマイナスと、補填されるビットコインの枚数がプラスで表示されるのであれば、損益計算ツール上で売買として計算される可能性があります。つまりビットコインで補填される場合でも利益確定されたものとして課税されてしまう可能性があるということです。 今後のDMMビットコインからのアナウンスを待った上で慎重に検討する必要があります。
■留意するべき事項
留意点としては、実際に補填される際に具体的な形態や条件によって税務処理が異なる場合があることです。例えば、補填されるビットコインの数量が異なる場合や、補填が遅れて価値が変動する場合など、様々なシナリオが考えられます。このため、個々のケースに応じた正確な判断が求められます。
■ハッキングされたビットコインはどうなるか
ハッキングされたビットコインがどこに流れるかというと、過去の報告によれば北朝鮮のハッカー集団が関与している可能性が高いとされています。盗まれた資産はミサイルや兵器の開発資金に使われているという報告もあり、非常に深刻な問題となっています。 この問題は、国際的な仮想通貨のセキュリティ対策の強化を促すものとなっています。各国の政府や企業は、仮想通貨のセキュリティ対策をさらに強化し、ハッキングによる被害を未然に防ぐための取り組みを進めています。