中国資本市場、過去最大の資金流出 トランプ氏選挙勝利の11月
[上海 17日 ロイター] - 11月の中国の資本市場は月間ベースで過去最大となる457億ドルの資金純流出となった。当局のクロスボーダー決済データで明らかになった。米大統領選でのトランプ前大統領勝利が世界のポートフォリオ投資のフローに影響を与えた。 中国の外為規制当局が16日遅く公表した株式・債券のクロスボーダー投資データによると、ポートフォリオ投資は流入額が1889億ドル、流出額が2346億ドル。月間ベースで最大の純流出となった。 このデータは中国の政策期待を背景に9月下旬に始まった株式市場の上昇が勢いを失いつつある中で発表された。トランプ氏の関税導入方針を受けて人民元も下落している。 資本市場からの大幅な純流出は、不動産セクターの危機や消費低迷、デフレ長期化に直面する経済を支援する当局の一連の刺激策にもかかわらず、投資家の信頼感が低下していることも映す。 BNPパリバは顧客向けリサーチノートで「回復の勢いが来年第1・四半期まで維持できるかどうかは、(先週の)中央経済工作会議で打ち出された景気刺激策の実施スピードや規模と、米関税が導入されるタイミングにかかっている」と指摘した。 他のデータでも資本市場の同様の傾向が示されている。 中国人民銀行(中央銀行)が16日公表したデータによると、海外機関投資家による中国債券の保有は3カ月連続で減少。 国際金融協会(IIF)も、中国の債券・株式市場が11月にともに資金流出となったことを明らかにしている。 IIFは、米大統領選でトランプ氏が勝利し、ドル高が進んだことで、中国を含む新興国市場のポートフォリオ投資のフローが影響を受けたと分析している。