<G20大阪サミット>閉幕も市内の交通規制は30日午後まで 地元住民ら「いつもの南港じゃなかった」
大阪市住之江区のインテックス大阪で開かれていた「20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)」は29日午後に閉幕を迎えた。日本で初めて開かれた世界中の首脳が集まった中で行われたため、大阪市内には地元の大阪府警をはじめ、全国各地の県警からも多くの警察官が警備で派遣され、厳戒態勢の中行われた。29日にアメリカのトランプ大統領ら首脳は帰国しており、宿泊していたホテル周辺の警備は柵などが撤去されたが、30日も日本に残っている首脳が多いため、大阪府警は午後2時ごろ規制を解除する予定と発表している。サミットは終了したが、付近の住民からは「いつもの南港じゃないので怖かった」という声も聞かれた。 【拡大図】「G20」大阪市内9エリアの一般道で交通規制・阪神高速、関空連絡橋規制図も
首脳ら帰国のため関空の連絡橋なども規制
府警などによると、各国首脳の帰国は30日も続き、関西国際空港とりんくうタウンを結ぶ空港連絡橋も、同日午後2時ごろまでは通れなくなる見込みとなっている。 このほか、首脳らが宿泊するホテル周辺では、帰国の時間に合わせ交通規制が行われる。そのため、府警などは同日もマイカーの利用自粛を呼びかけている。
インテックス大阪周辺の住民「警棒持った警官たくさん歩いてた」
初めてのG20開催に、大阪市内では過去に例をみない大規模な交通規制を行った。1995年にアジア太平洋経済協力会議(APEC)が大阪で開かれた際も交通規制が行われていた記憶はあるが、2019年G20大阪サミット関西協力推進協議会事務局は「言ってみれば、あの時は大阪城周辺を中心とした交通規制でした。今回はかなり規模が違いました」と語る。 特に今回の会場となった大阪市住之江区の「インテックス大阪」に近い地元住民らは、この交通規制により生活への影響を受けている。開催期間中、筆者は周囲の写真も撮影しようと、通路で会場と直結するトレードセンター前駅ではなく、徒歩10分ほどの場所にあるコスモスクエア駅から会場に向かったことがあった。 すると、住民らがいつも使う歩道などには各県警の警察官、そして道路には開閉できる柵が設置されていた。G20会場の関係者は、身分証を首から見えるようにぶら下げていれば通行できるものの、身分証がない場合は規制エリアを通ることが許されなかった。実際筆者も、地元住民の70代男性が警察官に「ここを通った方が家は近いんやけど通れないか」と聞くも、「申し訳ないんですがここはお通しできません」と断られる様子を見かけた。 男性は「サミットが始まる前から警察官の数が多くて驚いた。大事なものやから仕方ないけど、家の周辺を警棒を持った警察官がたくさん歩いているというのは、いつもの南港じゃなかったな」と苦笑していた。