「術の前に熱」…子どもが荒れる「魔の6月」を乗り切るために必要な「たった1つの心得」
先生と生徒の「信頼関係」
名前が挙がったAもBもCは飛び切りの笑顔だった。 このように各々の変容を褒めて、努力の輪を広げていく。 ちょっとしたユーモアも忘れない。教室に笑いは欠かせないからだ。私は国語教師だが、子どもに国語を勉強する意義を問われたとき、あるいは説明するときには、こう伝えることもある。 「デート中に相手の心を正確に推測するために読解を学ぶのだ」 「意中の相手の心を動かすラブレターを書くために作文を学ぶのだ」 熱をもって行動し、熱を持って語り聞かせる大人の言うことには、荒れた子も耳を傾ける。「この人の言うことなら聞こう」「この人のために、一所懸命やろう」そう態度が変わっていく。大人、なかでも私たち教師こそ、中学生が「この人」と注目する存在であるべきだ。生徒との「信頼関係」はそうやってつくられていくものなのである。 後編記事『「叱責は短時間」「何事もなかったかのように」自尊感情を傷つけず子どもを変容させる「プロ教師」叱り方のコツ』へ続きます。
長谷川 博之