家焼かれ逃亡、生後14日のわが子抱く若いロヒンギャに見た母親の変わらぬ姿
ミャンマーで少数派イスラム教徒ロヒンギャの人々が迫害され、大量の難民が流出していることが国際社会で問題化しています。フリーカメラマン、森佑一さん(32)は60万人以上が逃れたという隣国バングラデシュに入り、10月14~23日まで、南東部のミャンマー国境に接するコックスバザール県ウキヤで形成されている難民キャンプ地を取材しました。 40年前から大流出「世界で最も迫害された民族」ロヒンギャなぜ解決しない? いま、ロヒンギャの人たちはどのような暮らしを送っているのでしょうか。 ----------
「どうして仏教徒はムスリムを迫害するんだ」 同僚の問いに返答できなかった
● 取材のきっかけ 私(森さん)は2015年1月から2017年1月までの2年間、青年海外協力隊としてヨルダンで活動していました。その時、たまたま同僚のヨルダン人にミャンマーでムスリムであるロヒンギャの人々が迫害されているという話を聞き、迫害が行われている様子と思われるSNS上の動画を見せられました。 その当時は、ロヒンギャという名前は知っていましたが、どういった人達でどういった状況にあるのか詳しく知りませんでした。その時、同僚にどうして仏教徒はムスリムを迫害するんだということを聞かれましたが、その理由を答えられず、印象に残ったのがきっかけです。 10月3日深夜にバングラデシュ入りし、4日から11日まで首都ダッカにて情報収集や現地NGOとコックスバザール行きの日程調整を行ってから、11日の夜行バスでダッカを離れ、12日早朝に現地入りしました。12日と13日はコックスバザール県にあるNGOのオフィス兼食糧備蓄倉庫で、NGOが15日に予定していた食糧配給の準備を取材しました。 14日にはNGOスタッフと共に、食糧配給のための視察や軍への事前申し入れで難民キャンプを訪れるのに同行し、翌日15日に食糧配給を実施する様子を取材しました。16日以降はNGOと別れ一人でウキヤの難民キャンプを訪れ取材を継続し、23日の夜行バスでコックスバザールを離れました。