イーサリアム・スケーリング、どこで間違えたのか?
エクスペリエンスの低下
上記の点を踏まえると、相互運用性の複雑さは、任意のネットワーク上で開発する開発者にさらなるフラストレーションと断片化をもたらすだけだ。開発者は、展開したアプリケーションがうまくスケーリングするかどうか、低いトランザクションコストを維持できるかどうか、そして最終的にユーザーのニーズを満たせるかどうかを心配する必要はないはずだ。 簡単に言えば、開発者のマインドは、次の10億人のユーザーをWeb3に取り込むためのアプリケーションを開発することだけに集中すべきだ。 しかし現在、開発者はシームレスなユーザー体験を提供するために、複雑なネットワーク抽象化に対処しており、これは結局のところ、開発者の力を分散させ、不必要な作業負荷となる。 同様にユーザーは、アセットブリッジング、ウォレットネットワーク管理、そしてこの断片化された状態に対処するためだけに大量の取引手数料を扱うことを含む、クロスチェーンでのやり取りの複雑さに対処することを余儀なくされている。 開発者は、暗号資産のパワーユーザーだけでなく、クロスチェーンでのコミュニケーションに必要な無限のステップにすぐに怖気付き、イーサリアムのエコシステムに完全に背を向けてしまうような、暗号資産に興味津々の新参者のためにも、スケーリングソリューションの導入に注力する必要がある。
モジュラースケーリングのこれから
その責任は、渋滞料金の軽減に失敗し、料金に敏感なアプリケーションに、アプリ固有のインフラに移行する以外に選択肢を残さなかったレイヤー2自体にある。 次のサイクルが近づくにつれ、雪だるま式に悪循環が起こるだろう。レイヤー2の渋滞料金が増加すればするほど、より多くの開発者がアプリ固有のインフラを選択せざるを得なくなり、ステートの断片化に関連する(すでに蔓延している)問題を悪化させる。 数年後、レイヤー2がステートの断片化を解決できないことがイーサリアム・エコシステムによるアプリケーション支配の没落につながったとしても不思議ではない。イーサリアム・エコシステムを開発しているすべてのロールアップ界の友人、同志、仲間たちへ。 我々はもっとうまくやる必要がある。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Markus Spiske/Unsplash(CoinDeskが加工)|原文:Where Did We Go Wrong With Ethereum Scaling?
CoinDesk Japan 編集部