与党惨敗で政治情勢は不透明 日銀の利上げシナリオ【Bizスクエア】
――今後、決定会合が12月と1月と、2回あるが、本命は1月。場合によって為替が円安に進めば12月で、ここで0.25%を上げて0.5%にするというシナリオか。 東短リサーチ 社長 加藤出氏: 先に行くよりは、手前に来るリスクの方が大きいかと思う。 物価の見通し日銀はどう考えているのか。展望レポートでは、景気の現状判断について「緩やかに回復している」を維持した。2024年度の物価上昇率は7月時点の2.5%を据え置いた。2025年度は2.1%から1.9%に引き下げ、26年度は1.9%を維持した。 ――これ見ると、あまり変わっていない?そして自力であるところのエネルギーと生鮮食品を除くと、2026年度には2%を達成するとこういう見通しだ。 東短リサーチ 社長 加藤出氏: 前回を踏襲して変わっていない。今の金利は低すぎるから、徐々に金利引き上げを続けていくというスタンスの根拠になっている。 ――金利は上げなければならないものか。 東短リサーチ 社長 加藤出氏: 金利が低すぎる。インフレとのこのバランスで見る必要があって、インフレを差し引いた場合の50年弱ぶりぐらいの実質金利の低さ。 政策金利から消費者物価指数を差し引いた実質政策金利。日本は各国よりも圧倒的に低いことがわかる。 ――実質金利は低いと、他のところにお金が流れるということか。 東短リサーチ 社長 加藤出氏: 圧倒的に低い。逆に我々の預金がインフレによって目減りしているということでもある。なのでお金が海外に流れやすいという状況でもある。それによって円安が続きやすいとするとその生活コストの上昇によって、家計は打撃を受ける。日本の消費が、今ひとつ元気が出てこないというのは金利が低すぎることで円安が進んで、消費が活発化しないという悪影響でもある。 家計だけでなく中小企業にとってもダメージになっている。日本商工会議所がまとめた「自社にとって望ましい為替レート」のグラフ。中小企業にとっては120円~130円が最も望ましいレートとしている。