BCG流「企業向け生成AI」活用5つのポイント、AI×日本の強みとは?
生成AIは非常に速いスピードで進化する特性を持つため、企業で利用する際にもこれまでとは異なる体制で運用する必要がある。では具体的にどのような点に注力するべきなのだろうか。本稿では企業が生成AIを効果的に活用するためのポイント5つ(「戦略を立てる」「学習/トライアルを実施する」「統括組織をつくる」「トラスト(信頼)を確立する」「技術を見極める」)を紹介。この点を踏まえつつ、ボストン コンサルティング グループ(BCG)が示す「日本の生成AI活用の勝ち筋」について解説する。 【詳細な図や写真】生成AI導入にあたり企業が検討すべき5つのポイント(出典:BCGが読む経営の論点2024)
※本記事は『BCGが読む経営の論点2024』の内容を再構成したものです。
企業が検討すべき5つのポイント
生成AIはさまざまな可能性を秘めている半面、急速に進化を遂げるテクノロジーであり、短期的な過剰期待、長期的な過小評価に陥りやすいという点で、経営者の頭を悩ませる。どのタイミングで、どこから着手すればいいのか、打つ手を見極められずに戸惑っている企業も多いだろう。 企業が生成AIとうまくつきあうためには、「戦略」「学習/トライアル」「組織」「トラスト」「技術」という5つの観点で検討するとよいだろう(図表2-4)。最初はお試しで学習すればいいと、戦略や組織は整備せず、情報管理も後手に回る企業が多いが、最初からこの5つの要諦を押さえたうえでスタートを切ったほうが、より高い効果が望める。
ポイント1 戦略を立てる
まず考えたいのが、どこに適用すれば価値が出るか、どのユースケースで自社が差別化できるのか、という点である。 オペレーションを変えて、生産性を高められるか。顧客の購買行動がどのように変化する可能性があり、それにどう対応するか。自社のビジネスモデルはどう変わり、自社の競争優位性の構築にどう活用できるか。 過剰期待と過小予測を避けるように意識しながら、どのタイミングでアクセルを踏み、どのような時間軸で投資を行い立ち上げていくか、その機会とタイミングを最初にしっかりと構想しておく。