独立リーグ栃木GBでの現役続行を決めた元阪神・西岡剛の覚悟と生き様とは
BCリーグは、前後期に分かれていて4月6日から9月8日までがシーズンだが、古後会長は、NPBからのオファーがあれば、いつでも契約を途中解除してNPB移籍を優先できるという特別の契約体制でサポートすることを明言した。 NPBへの移籍期限は7月31日である。昨年、村田修一氏は、オファーがなかった、その時点で引退を決意した。西岡も、その期限が現役生活の区切りとなるのか、それとも、もう1年、プレーしながらチャンスを待つのか。 「そういう質問が飛んでくると理解していたんですけど、明日の人生分かりますか? 分かりませんよ。先のことより1日1日を必死に成長していく人間でありたい。その時期が来たら、どういう心境になるか僕自身は分からない。ただ入団会見をして気持ちは高ぶっています。NPBに戻るということを目標に、そして栃木県民球団に恩をしっかり返したい。地域の社会貢献を全力で頑張りたい」 偽りのない気持ちだろう。 今から始まるチャレンジに期限を決める意味を西岡は感じていなかった。 戦力外通告を受けた際、阪神からは引退試合の話を持ち掛けられた。だが、西岡は、その申し出を断り、現役続行に舵を切った。トライアウトをへて、復帰を熱望していたロッテからも朗報は届かなかった。 「心境のブレはない。もう1回NPBに戻るだけだと。その中でどこの球団も決まらずにトレーニングをしている間にプロ野球の世界はすごいと気づいた。ブレはなかった」 ただ、ふとした時に「俺何やってんのやろ」「この先どこへ行くんやろ」と自問自答する葛藤もあったという。 「逃げることも辞めることも簡単。その決断をした時に、やり遂げた方が幸せな人生」 それが西岡の人生哲学である。 「先は見えない。どんな道を歩んでも人生は険しい。皆さんにしてもそうでしょう。嫌な先輩がいたりね。でも社会に出たら我慢という部分が生まれてくるのが大人。僕も34を迎えてプロ野球(NPB)と違った環境でやっていく中で、そういう部分を勉強していく」