独立リーグ栃木GBでの現役続行を決めた元阪神・西岡剛の覚悟と生き様とは
前阪神の西岡剛(34)のルートインBCリーグ、栃木ゴールデンブレーブス入団会見が18日、栃木県小山市の小山グランドホテルで行われた。西岡は昨年、阪神から戦力外通告を受け、11月にはプロ野球12球団合同トライアウトに参加したが、その後、オファーはなかった。それでも西岡は引退ではなく「険しく先が見えない」という現役続行の道を選んだ。栃木GBでプレーをしながら7月31日の期限までNPB復帰を目指すことになる。
独立リーグ6球団から声がかかる
西岡らしくなかった。第一声が「監督が緊張で噛むので僕も緊張している」というもの。およそ緊張などという2文字と縁遠い男が、チームの紺色の公式スーツと黄色のネクタイを締めて球団の古後昌彦会長と新監督となる元巨人の寺内崇幸監督とひな壇に並び、かしこまった表情で会見に臨んだ。新たな人生のスタートへの決意がわかる。 栃木GBとは12日に契約を交わした。昨年のトライアウト後に「独立リーグでもプレーする」という意向を示したこともあり直後に栃木GBからオファーがあった。結局、6球団から話があったが、「一番最初に声をかけていただき、施設も含めてNPBに戻れる環境がしっかり整っているところを選んだ」という。 栃木GBの名前を知ったのは、昨年のちょうどいまごろ、巨人を戦力外になった村田修一氏の入団のニュースが目に触れたときだ。 「あれだけの人が独立で頑張る。そこに感銘をうけた」 2月には入団を決意したという。 「選択は何個かあった。進んできた人生は楽な道と困難な道があれば、困難な道を選ぶ性格。決して道は簡単じゃないかもしれない。どこがゴールかも見えない。厳しい道を選んだ先に成功があれば、誰もがなしえれない快感を得られる。野球が好き、愛している。野球しかできない。30年やってきて、34歳で戦力外。まだ(NPBに)いきたい夢を追いかけることを嬉しく思う」 しかし愛する野球とは「意識するものではない」という持論がある。 「絵を描く人も努力しているわけじゃなく好きで描いている。歌を歌う人も歌が好きでやっている。(野球をすることを)努力と感じたときは、その先はないのかもしれない」 背番号は「1」。空き番の「1」と「5」を提示されたが、「5で戦力外になった。そんな5番をつけようという気にならない。1からまた出発する、という意味でいい背番号」と「1」を選んだ。 ポジションは内外野のユーティリティプレーヤーとしていろんなポジションで出場する考えでいる。阪神時代もチャンスを求めて外野も練習。スタメン起用されたこともある。 「本気で狙っているからこそ引き出しを身につけて戦っていきたい。キャッチャーはやりたくないけど(笑)」