高石あかり、坂東龍汰…「2025年にブレイクする俳優5人」を映画ライターが独自の観点で選出
5. 広瀬すず
俳優にはそれぞれ「ペース」というものがあり、ある一定以上の活躍を収めて安定したのちは、多作/寡作の傾向がそこまで崩れることはないようにも思える。そんななか、2025年の広瀬すずは“異常”だ。 Netflixシリーズ「阿修羅のごとく」(1月9日よりNetflixで世界独占配信)に始まり、テレビドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(1月24日からTBSで放送開始予定)、『ゆきてかへらぬ』(2月21日公開予定)、『片思い世界』(4月4日公開予定)、『遠い山なみの光』(夏公開予定)、『宝島』(年内公開予定)と6作がアナウンス済み。 実に、例年の2倍レベルの出演作ラッシュになっている。もちろん、スケジュールの変動などにより多少の増減はあるだろうが、2025年が広瀬すずイヤーになるのはほぼ間違いないのではないか。 なお、石川慶監督による『遠い山なみの光』は日英合作で、原作者カズオ・イシグロがエグゼクティブプロデューサーとして参加。大友啓史監督による『宝島』は戦後沖縄を舞台にした真藤順丈による直木賞受賞作の映画化作。終戦80年の節目となる年とあって注目度は高く、ソニー・ピクチャーズ配給のため世界配給も視野に入れているはず。 ロッテルダム国際映画祭の正式出品が決定した『ゆきてかへらぬ』やNetflixによる世界配信が見込める「阿修羅のごとく」含めて、広瀬の出演作が各国に伝播する可能性が高い。清原果耶・杉咲花と共演した『片思い世界』は『花束みたいな恋をした』チームの新作であり、こちらも注目作だ。 そのほか、坂元裕二脚本による映画『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開予定)、実写映画『秒速5センチメートル』(秋公開予定)と話題作が続く松村北斗、2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で主役を務め、吉沢亮と共演した『国宝』の公開が6月6日に控える横浜流星ほか、2025年の“顔”になりそうな面々の活躍にも期待したい。さらに、2024年12月末現在は未発表の作品で、脚光を浴びるスターもいるはず。1年後の“答え合わせ”はどうなるだろうか? 番狂わせを起こす未知の才能の台頭も、願っている。
SYO(映画ライター)