高石あかり、坂東龍汰…「2025年にブレイクする俳優5人」を映画ライターが独自の観点で選出
3. 坂東龍汰
第77回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)に輝いた『スパイの妻』に出演し、『春に散る』ではボクサー役として横浜流星と対決し、北野武監督の『首』や「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」チームの新作アニメ映画『ふれる。』など、話題作への出演が続く若手実力派・坂東龍汰。 2024年もドラマ3本・映画4本に出演したが、「ライオンの隠れ家」(TBS系)での演技が高く評価されたことでさらなる注目を浴びている。演技力の高さには定評がある彼だけに、次なるステップアップのタイミングか? と気になるところだが、狙ったかのように単独初主演映画『君の忘れ方』が1月17日公開予定。 本作は、結婚間近の恋人を事故で亡くした構成作家が、悲嘆の状態にある人に寄り添う「グリーフケア」と出合う姿を描いていくヒューマンドラマとのことで、坂東の演技力がいかんなく発揮されるはずだ。恋人役は西野七瀬。その1週間後には松坂桃李・芳根京子・役所広司が共演した時代劇『雪の花 ―ともに在りて―』が公開。今後に発表されるであろうその他の作品も含めて、飛躍の1年になりそうな予感が漂っている。
4. 北村匠海
俳優として、「DISH//」のメンバーとして不動の地位を築いた感のある北村匠海が、新たな挑戦に打って出た。自身が10代で出合い、影響を受けたという不可思議/wonderboyの楽曲を基にしたオリジナル映画『世界征服やめた』(2月7日公開)の企画・脚本・監督を務めたのだ。 萩原利久・藤堂日向・井浦新を迎えた本作は、会社員としての日々に心をすり減らす主人公とその友人の物語。俯瞰や客観、予感を重視した画作りの中に映像的な遊びをさりげなく配した締まった作品に仕上がっており、北村の映画監督としての確かな才能と実力を感じられることだろう。 加えて、春に放送予定のNHK連続テレビ小説「あんぱん」に出演予定。北村にとっては初の朝ドラ参加となる。また、3月20日には映画『悪い夏』が劇場公開予定。『正体』の染井為人の原作を『ビリーバーズ』の城定秀夫監督と『ある男』の脚本家・向井康介のタッグで映画化した“クズとワルしか出てこない”本作で、北村は強烈な壊れっぷりをみせている。多方面で北村匠海の新章を感じられる1年になるはずだ。