メルカリ山田進太郎社長 苦戦続くアメリカ事業「我慢という発想はあまりない」【WBS】
フリマアプリを展開するメルカリが13日発表した去年7月からことし6月までの決算は、国内のフリマ事業が堅調だったことを受けて最終黒字を確保しました。上場以来初となる2期連続の黒字です。一方で、10年前に世界展開の足がかりとして参入したアメリカ事業は、いまだ苦戦を強いられています。状況を変える一手はあるのか、山田進太郎社長に聞きました。 13日に開かれたメルカリの決算発表会。 「売り上げ、収益営業収益ともに過去最高を更新し、着実に推進することができた1年だった」(山田進太郎社長) 去年7月からことし6月までの決算は、純利益が1年前と比べて2.7%増えた約134億円で過去最高を更新。ただ足を引っ張ったのが、アメリカ事業です。調整後営業利益は1700万ドル(約25億円)の赤字となったのです。決算を受けて、14日の同社株価は一時10%近い大幅安となりました。 世界進出の足がかりとしてアメリカには2014年に進出し、今年で10年が経過しましたが、これまで年間で黒字化を達成できたことはありません。株価も最も高かったときの3割以下に落ち込んでいます。なぜアメリカ事業が低迷しているのか。山田社長がテレビ東京のインタビューに答えました。 「低迷が続く中でアメリカ市場には日本と違う難しさがあるのか」(相内優香キャスター) 「大きな使い方の違いはない。ただアメリカでは例えば中古の衣料品であっても、フリーマーケットや寄付などいろいろな手段がある。つまり競合が多い」(山田社長)
他社との差別化を図り、出品数が増えることを狙って、アメリカのメルカリは3月には出品者側からとっていた10%の販売手数料を撤廃し、購入者側から徴収するように変更すると発表しました。 さらに、今月打ち出した新たな一手が、ロサンゼルスに作ったアメリカ初の実店舗です。主にZ世代をターゲットにしていて、若い世代がアメリカ市場の起爆剤となることを期待します。 その一方、6月にはアメリカの従業員の半数弱を対象にした大規模な人員削減も実施。アメリカ事業に将来性はあるのでしょうか? 「正直アメリカ市場撤退も視野に入れているのか」(相内キャスター) 「投資対効果が悪い、マイナスとなれば撤退を考えなければならないが、今年度ブレークイーブン(損益分岐点)に持っていく見込みは立っている」(山田社長) 「どこまで我慢できる」(相内キャスター) 「我慢という発想はあまりない。アメリカ事業への僕自身の思いが、という話をいろいろされるが、会社としてビジネスな判断としてやったほうがいいとやっている」(山田社長) メルカリがアメリカ事業の打開策として、特に注力するのがアメリカのアプリから日本の中古品を直接購入できる越境ECです。アメリカでは日本の中古品の中でも、アイドルの推し活グッズなどエンタメ系のものの需要が強く、山田社長は日本の中古品販売を足がかりに苦戦するアメリカ事業のシェアを伸ばしていきたいということでした。 ※ワールドビジネスサテライト