赤楚衛二の仕事論「壁にぶつかって悩んだほうが人として分厚くなれる」
地元の高校生エキストラと交流も
沖縄の美しい景観も彩りを添えている本作。沖縄出身の湊を演じるにあたり、赤楚は「何度も音源を聞いてイントネーションを覚えて、現場でも方言指導の先生に教えてもらった」そう。 「湊はそこまで強い方言ではなく、都会っぽさを出したい狙いもあって、あえて方言を抜く方向性で演技を組み立てていきました。それでも、沖縄にいる高校生のあいだは方言を使うので、地元のコミュニティの方に話しかけて実際に会話をしてみたり、高校生のエキストラの方と交流したりしましたね」 しっかり方言を入れて話すよりも、バランスを調整しつつ“方言を抜く”話し方のほうが、おそらく難しかったのではないか。「語尾を半音だけ上げるというか、アクセントを込めるんだけど抜く、みたいな作業が多かったと思います」と簡単に話す赤楚だが、その自然さは本編に表れている。 「映画のタイトルにもなっている『366日』を歌われたアーティスト・HYさんの母校で撮影させてもらったんです。出演してくださっている高校生のエキストラさんたちのなかには、実際にその学校に通われている生徒さんもいらっしゃって。『いまクラスで何が流行ってるの?』とか聞かせてもらいました」 やはり高校生のメインカルチャーはYouTubeのようだが、音楽の好みはバラバラで、直接話を聞いていて新鮮だったようだ。「一番強く感じたのは、やっぱり皆さんピュアなんですよ。10代の子たちのピュアさに、ずっと癒されてました。それと同時に、ああ、自分は大人になってしまったな……って(笑)」 撮影の合間に食べた美味しいものについても教えてくれた。「沖縄の名物を全制覇したんじゃないかってくらい、たくさん食べました! タコスが美味しくて、あとステーキの量がとっても多くてびっくりしましたね。あと外せないのが沖縄そば!もう全部美味しかったですよ」と語る赤楚。思い出の場所についても「シルミチューです」と即答だ。パワースポットでもあるシルミチューは、普段は観光客も少ない穴場なのだとか。 「すべてのロケ地が美しくて印象に残ってるんですけど、そのなかでもとあるシーンで使わせてもらった『シルミチュー』と呼ばれる海辺が、本当に綺麗で。大きな岩場があって、お天気にも恵まれたおかげか、キラキラ輝いていて、静かで心が落ち着く場所でした。あと、湊と美海が自転車を漕いでいるシーンの、うるま市にある海中道路も素敵でしたね。上白石さんと『ずっと自転車を漕いでいられるね~』って話してました」