「潰瘍性大腸炎」の初期症状・前兆はご存じですか? 長期化すると『大腸がん』のリスクも
潰瘍性大腸炎の初期症状の自覚がある人必見 潰瘍性大腸炎かどうかを検査する大腸カメラ(内視鏡検査)は何をするの?
編集部: では、大腸カメラ(内視鏡検査)について教えてください。 河口先生: 大腸内視鏡は、1.3mほどの長さの軟らかい管(スコープ)の先端に超小型カメラが搭載されており、肛門から挿入して大腸および小腸の一部までをリアルタイムで詳細に観察することができます。 さらに、スコープの中に細長い処置道具を通すことでスコープの先端から組織を小さく採取(生検)したり、ポリープを切除したりすることなども可能です。 大腸内視鏡は潰瘍性大腸炎だけでなく、大腸ポリープや大腸がん、大腸憩室症、腸炎、クローン病など様々な大腸の病気の診断に用いられています。 編集部: 腸にカメラを入れるのは何だか怖いし、勇気がいります。 河口先生: そうおっしゃる方は少なくありません。そんな方の不安を解消するため、多くのクリニックでは様々な工夫をしています。 例えば、患者さまの状態や希望に応じて、鎮痛剤や鎮静剤による静脈麻酔を使用することもできますし、検査にあたっては、おしりが露出しないような専用の検査着を用意し、女性の方にも安心していただけるよう必ず女性看護師が検査補助につくなど、みなさまに安心して検査が受けられるよう配慮がされています。 もちろん、医師が検査前には検査の一連の流れや安全性について丁寧に説明し、検査中も適宜お声掛けをして不安の解消に努めます。 編集部: 不安や苦痛を軽減するための工夫が色々あるのですね。 河口先生: はい。大腸検査前には、大腸の内容物を綺麗にするために、下剤(腸管洗浄液)を2リットル飲んでいただくのが一般的ですが、この下剤が大変なのです。そこで、検査そのものだけでなく、検査前の処置にも工夫があります。 例えば当院では、通常の半分程度の量で、高い洗浄効果が得られる腸管洗浄液や錠剤タイプの腸管洗浄液なども選べるようにして、少しでも楽な方法で前処置を行っていただけるように工夫をしています。 編集部: 検査はどんな人に対して行われるのですか? 河口先生: 例えば、以下に当てはまる方は、潰瘍性大腸炎や大腸がんなどの深刻な病気の可能性も否定できないので、一度内視鏡で大腸内を確認しておくことを強くお勧めします。 ・便に血が混ざっている ・下痢を繰り返している ・腹痛を繰り返している ・おなかの張りが強い ・健康診断で便潜血反応が陽性だった