【バスケ】信州ブレイブウォリアーズ最終節での大逆転B1残留へ 石川海斗「気力を尽くしてやるだけ」
Bリーグ1部(B1)は27日と28日、各地でレギュラーシーズン(RS)の第35節が行われ、信州ブレイブウォリアーズ(中地区7位)はホームで横浜ビー・コルセアーズ(同6位)と対戦。B1残留に向けて、茨城ロボッツ(東地区8位)を2ゲーム差で追っている信州だが、27日の第1戦では69-79と痛い敗戦を喫する形に。“マストウィン”の状況で迎えた第2戦では、キャプテンの石川海斗が25得点7アシストと爆発。ジャスティン・マッツも39分17秒の出場で21得点13リバウンド3アシストを記録し、83-56で信州が勝利を手にした。 ホーム最終戦ということもあり、28日の試合には過去最多となる6,199人のファンが集結。昨年11月5日の富山グラウジーズ戦以来、約5ヶ月ぶりとなるホームでの勝利をブースターに届けた。 28日の横浜BC戦の結果を受けて、信州は10勝48敗(リーグ全体23位)としたが、同日茨城ロボッツ(12勝46敗、同23位)も仙台89ERSに勝利したため、ゲーム差は2のまま変わらず。信州が残留するためには最終節でサンロッカーズ渋谷(中地区3位)に2連勝し、茨城が2連敗することが必要となる。
アイデンティティ取り戻した 今季初失点50点台
勝久マイケルヘッドコーチ(HC)率いる信州のアイデンティティは強固なディフェンスだ。昨季は平均失点数が73.4(リーグ3位)、ディフェンシブレーティング(DRtg:100ポゼッションでの平均失点数)が103.0(同2位)とリーグトップの成績を残しており、粘り強く守り勝つスタイルでB1昇格後最多となる29勝を挙げた。 しかし、今季はディフェンスの中心を担っていたアンソニー・マクヘンリーの引退や、ジョシュ・ホーキンソンの移籍、ウェイン・マーシャルの離脱などにより、長年積み上げてきたカルチャーが崩壊しつつあった。数字を見ても明らかで、第35節終了時点の平均失点数が82.4(同19位)、DRtgが113.1(同19位)と本来目指すべき姿とは程遠い状態となっている。 それでも、3月20日のシーホース三河戦でのマーシャルの復帰以降は平均失点が78.2と改善されており、少しずつアイデンティティを取り戻していた信州。そして、28日の横浜BC戦では今季初めて相手を50点台に抑える守備を披露。勝利の要因は、間違いなくディフェンスにあった。 勝久HCは「(星野)京介がディフェンスでプレッシャーをかけたときに、流れが来たと思っている」と評価するように、第2クォーターの出だしから星野京介が相手に激しいディフェンスを仕掛けてターンオーバーを誘発。その後のポゼッションでは3ポイントシュートを捻じ込み、横浜BCに前半2つ目のタイムアウトを取らせるなど、試合の流れを引き寄せるプレーを披露した。 星野の活躍について栗原ルイスは「すごく良いと思っている。京介はうちのバスケを体現できると思うし、前から当たってくれて良いモチベーションになる。一言でいえば喝を入れてくれたプレーだと思う」と称賛。今季からチームに加入した選手たちにも信州の“ディフェンス・アイデンティティ”が浸透していることが確認できたホーム最終戦だった。