「アンちゃん!?」と周囲も驚く15キロの大減量 アン・ソンジュが目論む日本での再起
◇国内女子◇北海道meijiカップ 事前(31日)◇札幌国際CC島松コース(北海道)◇6568yd(パー72) 【画像】5年前のアン・ソンジュがこちら。まさに別人… 通算28勝、4回の賞金女王など輝かしい実績を誇るアン・ソンジュ(韓国)が、5年ぶりに日本ツアーに戻ってきた。開幕2日前の31日(水)は18ホールを練習ラウンド。「すごいドキドキ、ワクワクの感じ」と、以前と変わらない流ちょうな日本語で高ぶる気持ちを言葉にした。 2023年から「ダイエットした」という体重は、食事制限と欠かさぬトレーニングにより日本滞在時から15キロも減ったという。ドライバーは15ydほど飛ばなくなったが、「歩くのがラクになったことが、すごくいい」とラウンド中のメリットも多い。何より「ゴルフ人生がもっと長くなると思う」ことが喜ばしい。 その変貌ぶりに、「“アンさんって分からなかった”って何回も聞きました」と、久々に再会したプロ仲間が気づかないことも。「それだけイメージが変わったなら良かったー、と思って」。そんなそばから『アンちゃん!? 分からなかったよ!』という声が周囲から飛んできた。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、2020年から主戦場を韓国ツアーに戻した。私生活にも大きな変化があり、2021年4月に母国で双子を出産。当時は日本女子プロゴルフ協会の産休制度を利用し、保持していたシード権を持ち越して22年からの日本ツアー復帰へ意欲を示していた。 しかし、授かったばかりの子どもへの思いがアンの決意を鈍らせる。「まだ小さかったし、双子だったので早くに生まれたから長く入院していた。それが心配で」。選んだのは、子どもたちと近くに寄り添える母国でのプレー。22年からフル参戦を続け、今季もすでに15試合をこなしている。 誤算だったのは、産休からの日本ツアー復帰申請を前に、期限に定められている出産日からの36カ月を過ぎてしまったこと。持ち越すはずだったシード権を喪失し、今週は主催者推薦を受けて出場する。「自分がちゃんと分かっていなかったこともあるので、しょうがないと思う」と、この時ばかりは表情を曇らせた。 シードを失っても、「練習環境など、韓国とは比べものにならないくらい良い」という日本ツアーには推薦(シーズン上限8試合)でプレーを続けたい考え。今週の出場には、長く過ごした日本ツアーに「感謝の気持ちを伝えたい」思いもあったという。現時点で、次週の「NEC軽井沢72ゴルフ」(長野・軽井沢72G北C)への出場も決まっている。
「優勝できるかは分からないけれど、もし2試合で優勝できればシード権も獲れる。できれば頑張っていきたい」。あと2勝で到達する、通算30勝の選手が得られる永久シードだって諦めてはいない。この2週間の結果を受けてとなるが、来季出場権を争う予選会(QT)の参加も頭の片隅にはある。 「まずは予選通過。若い選手たちのレベルがすごく高くなっているし、この雰囲気に慣れながら頑張りたい」。最後に賞金女王を戴冠してから6年。かつての最強プレーヤーが、初心に戻って再スタートを切る。(北海道北広島市/塚田達也)