【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第6ステージ】ペラヨ・サンチェスがストラーデ・ビアンケでの攻防を制しステージ初優勝。チャンスを掴んだ強い思い「最後に最強か最速の選手になろうと心がけた」
アストゥリアス州オビエド出身の24歳。グランツールを走るのが夢だったというサンチェスは、ブルゴスBH時代の2023年にブエルタ・ア・エスパーニャ初出場。ジロ・デ・イタリアはもちろん今回が初めてだ。サンチェスの優勝はまさにサプライズ。スペイン勢として55回目のステージ優勝である。2023年のブエルタ・アストゥリアス第3ステージ、2024年のマヨルカ島トロフェオ・ポレンサに続く3度目のプロ優勝となった。
「今年の初めから計画していたことは、今日のために序盤のステージでエネルギーを節約するということだった。逃げ切りからステージ優勝を狙ったが、なかなか決められなかった。レース中、逃げるのは難しいと思っていたが、最後の最後までエネルギーを温存しようと頑張った。みんなが攻めてくる時は冷静さを保とうとした。プラップとアラフィリップをふるい落とそうとしたが、無理だった。だから、勝つための唯一の方法はスプリント。
ジュリアンは僕のアイドル。彼との対戦は光栄だったけど、彼に勝てたことは一生忘れられない特別なことだ。ジロ・デ・イタリアの最初の週にグランツールでステージ初優勝できたのはクレイジーだよ」(サンチェス)
プラップはグランツールでのステージ初表彰台となったものの、マリア・ローザ獲得は夢に消えた。総合2位のゲラント・トーマス(イギリス)のポジションを守るためイネオス・グレナディアーズが懸命に追いかけたためだ。その結果、ポガチャルが総合1位を守ることになり、ピンクのスキンスーツを着て第7ステージの個人タイムトライアルを走ることになった。
「今日はマリア・ローザを失ってもかまわなかった。ピンクのルーク・プラップでよかった。私にとってはいいステージだったし、大好きなストラーデ・ビアンケのルートを再び走るのは楽しかった。観衆はあの日と同じように素晴らしかった。今日は調子がよかったので、明日のタイムトライアルでもいい脚が発揮できることを期待したい。おもしろいパルクールです。ステージ優勝は考えていない。ただバイクでいいフィーリングをつかんで走りたいだけ」とポガチャル。
それでも「私のサイクリングキャリアの中で、タイムトライアルを控えめに走ろうと思ったことはない。昨年の世界選手権以来タイムトライアルを走っていないけど準備はできているし、全力で走りたい」と付け加えた。 文:山口和幸
山口 和幸
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