【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第6ステージ】ペラヨ・サンチェスがストラーデ・ビアンケでの攻防を制しステージ初優勝。チャンスを掴んだ強い思い「最後に最強か最速の選手になろうと心がけた」
バーチャルリーダーだったプラップがバニャイアの登りで加速すると、アラフィリップとサンチェスがこれに加わり、メイン集団の追撃にあくまでも抵抗する構えになる。すでに160kmにおよぶ走りで疲れ果て、体力も消耗していた3人は持久戦となる。
「本当につらい1日だった。どのチームも逃げるチャンスがあったので第一集団に入りたかった。本当にタフでクレイジーなステージの始まりだったが、こんなチャンスを待っていた」
「グラベルや丘陵路では苦労すると思ったけど、最後に最強か最速の選手になろうと心がけた。他のライダーが疲れるのを待つのみだった」とサンチェス。
3人とメイン集団とのタイム差は残り10kmで1分10秒、残り5kmで34秒と縮まっていく。残り4km16秒、残り3km12秒…。しかし区間勝利を目指した3選手は残り2kmで20秒と挽回し、逃げ切った。最後はゴールスプリント争いになった。
「ジュリアン・アラフィリップが最後の登りでアタックしてきて、彼についていこうとしたんだけど、本当に難しかった。自分が速いのは分かっていたが、相手がアラフィリップだったので、彼と戦うのは少し緊張した。自分にもチャンスがあるという自信も忘れなかった」というサンチェス。
勝負は残り1kmとなった。プラップが最初に先頭に立った後、残り200mでアラフィリップがスプリントを開始し、サンチェスがスピードを上げて外側から逆転。アラフィリップを制してトップフィニッシュした。
スペイン選手は2019年のペリョ・ビルバオを最後にジロ・デ・イタリアで優勝していなかった。モビスターチームとしても同年にリチャル・カラパスを擁して総合優勝を飾ってから、ジロ・デ・イタリアで実績を残していなかった。もちろんアラフィリップもここ1年勝っていなかったが、均衡を破ったのはサンチェスの方だった。
「2度の世界チャンピオンで、2019年のストラーデ・ビアンケで優勝したアラフィリップを倒すのは簡単ではなかった。ゴールで自分が何をしたのか気づいていない。言葉も失った」(サンチェス)。
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