「エンツォ フェラーリ」の相場は4億円から。クラシケ認定でも修復歴ありだとコレクターの目も厳しくなる!?
走行距離は1万5102kmと少ない
さて、2003年にイギリスでファースト・オーナーの手に渡った今回の出品車だが、彼は半年にも満たない同年の11月には早くもこのエンツォをセカンド・オーナーに売却。この時の走行距離は1780kmにすぎなかった。セカンド・オーナーはそれから約17年間にわたりそれを所有するが、2009年3月に開催されたラリー・ド・パリに参加中、スピンを起こしコースアウトする事故に巻き込まれ、その後一連の修理作業を受けた。 また2009年11月にはフェラーリ・クラシケの認定も受け、2020年に再びパリでそれを販売。今回のオークション出品委託者が入手したというのが現在までのおおまかな履歴だ。走行距離は1万5102km、もちろんラゲッジケース一式やツールキット、フェラーリ・クラシケのレッドブックを付属しての販売である。 RMサザビーズは300万~350万ユーロ(邦貨換算約4億3800万円~5億1100万円)の予想落札価格を提示し、この注目のオークションはスタートしたが、最高の入札価格は最低落札価格に届くことはなく、残念ながらこのエンツォに新しいオーナーが誕生することはなかった。 ちなみに同社では、2022年のマイアミ・オークションで、同じ2003年式で走行距離が1万1876kmというエンツォを、319万5000ドル(同4億3643万円)で売却した実績を持っている。フェラーリのビッグ・ファイブを狙うコレクターの目は、やはりそれなりに厳しいようだ。
山崎元裕