米国のリテールメディア広告活用事例。プライバシー保護とパーソナライ ズを両立する手法とは?
以下の画像は、食品ECサイト「Hen House」で買い物をしたことがある消費者向けの広告。訴求する商品の価格は、その消費者が「Hen House」でよく購入する価格帯に基づいています。
ターナー氏によると、SwiftlyはファーストパーティCookieリストのID分野でデータ活用サービスを提供しています。ユーザー情報を追跡し、プロモーションのためのターゲットにする過程で、Cookieを利用しているわけではありません。 ┌────────── 小売事業者のアプリで許諾を得ている、ユーザーの電子メールアドレスや電話番号などのオプトインIDを取得して利用しています。ユーザーをターゲティングするときは、SwiftlyとUNFIなど2つの企業がファーストパーティデータを共有することで詳細な分析情報と正確な広告ターゲティングが可能となる「データクリーンルーム」を利用しています。「データクリーンルーム」には、収集したデータ元のプライバシーを保持できる利点もあります。このように、プライバシーに準拠し、Cookieを使用しない方法で、ユーザーをターゲティングすることができます。(ターナー氏) └────────── 「データクリーンルーム」は、電子メールアドレスのハッシュを活用します。「生のデータは共有することはなく、電子メールアドレスのリバースエンジニアリングに使用されることありません」とターナー氏は付け加えています。 ハッシュは、ランダムな文字列に置き換えられたデータです。ハッシュ値からは基のデータを割り出せないため、プライバシー保護の観点で安全性が高いと言えます。 ターナー氏はさらに、個人を特定できるような情報を取得することなく、適切な広告をマッチングさせることができると説明しています。 ターナー氏はこのプロセスを、デジタル版のチラシに例えています。ローカルの食料品店は多くの場合、商品のクーポンや割引価格を訴求した紙面を印刷して、近隣の消費者や潜在顧客にチラシを郵送します。しかし、多くのユーザーはすでに、郵送されてきた印刷物に目を通すよりも、スマホやPCで価格をチェックする傾向にあります。このため、UNFIやSwiftlyのような企業は、リテールメディアの広告機能を利用して潜在顧客にアプローチしているというわけです。 ┌────────── インターネット上で"リンゴが1ポンド0.98ドル“という広告を見せられても、ユーザーはどの店舗に買いに行けば良いのかわかりません。おそらくその広告は無視されてしまうでしょう。しかし、自分が毎週買い物に行く小売店が、「こんなお買い得品がありますよ」という広告をインターネット上で表示していたとしたらどうでしょうか。Swiftlyは、このような広告のROI(投資利益率)がとても高いことを、目の当たりにしています。(ターナー氏) └────────── □ 2.パーソナライズした商品訴求+関連商品の表示