エミリーは黒ではなくブルーを着るーー『エミリー、パリへ行く』のおしゃれ哲学
--いま“ローマの休日”というワードが出てきましたが、毎シーズンエミリーが取り入れる、オードリー・ヘップバーンのオマージュルックも気になります。シーズン4ではどのように取り入れましたか? 「おっしゃる通り、エミリーを演じるリリー・コリンズ自身の憧れであるオードリー・ヘップバーンのトリビュートを取り入れています。シーズン4のパート1では、仮面舞踏会のシーンがあり、ここで出てくるブラック&ホワイトのストライプ柄ドレスは、映画『マイ・フェア・レディ』のオードリーの衣装がインスピレーション源です。エミリーに反映するにあたってはいつも、ただまねするだけではなく2024年に生きる、モダンなオードリー・ヘップバーンスタイルに仕上げることに気を付けていますね。
同じくシーズン4のパート2の“ローマ”パートで登場する、パープル×イエローのルックもお気に入りです。『ヴァレンティノ』のケープに、『ジウゼッペ・ディ・モラビト(Giuseppe Di Morabito)』のドレスを合わせました。ローマのパートなので、自然とイタリアのデザイナーのアイテムをたくさん使用したくなりましたね。ここではイタリアンスタイルをつくることに注力しました」
--エミリーの上司であるシルヴィーのスタイルは、エミリーよりもシックでまねしやすく、視聴者からの人気も高いですよね。シーズン4での注目のルックは? 「みんなシルヴィーのフレンチシックなスタイルが大好きですよね。エミリーよりも、シルヴィーのほうがパリジェンヌを体現しているかもしれません。シルヴィーのようなスタイルはパリや日本、ロンドン、そしてブラジルの方々にまでも人気だと聞きました。私にとってはシルヴィーよりもエミリーのスタイリングをする方が簡単なんです(笑) エミリーのスタイルのほうが私本来の世界観に近いですから。なので、シルヴィーのスタイリングをするときはマインドを全く変えます。パリシックなスタイルがポイントなので、ディテールに細かくこだわってスタイリングしていきます。