エミリーは黒ではなくブルーを着るーー『エミリー、パリへ行く』のおしゃれ哲学
私自身、ファッション・ウィークに行くことよりも若いデザイナーたちを発掘することのほうが大好きなんです。若手デザイナーの母のような存在になりたい。もしシーズン5があるなら、半数以上若手デザイナーを起用していきたいと思っています。『エミリー、パリへ行く』が、世界中の若手デザイナーが羽ばたくひとつのプラットホームになれればうれしいですね」
--シーズン2でエミリーが持っていた「ポレーヌ」のバッグがヒットしたように、次にヒットしそうなアイテムはありますか? 「ヒットの予測は常に難しいものです。ですが、シーズン3でエミリーの上司のフランス人女性であるシルヴィーが着用した『ワインサント』のドレスが売り切れになったり、シーズン2でエミリーが着用した『マガリ・パスカル(Magali Pascal)』のパープルドレスは8回生産を繰り返したというくらい反響があったとデザイナー本人たちが連絡をくれたりしたので、ヒットの道へ一歩前進しているのではないでしょうか。
シーズン4では、まだどのアイテムがヒットするか正直わかりませんが、『バルバラ ビュイ(BARBARA BUI)』のブルースーツや、バッグやアクセサリー類は『Thaden』、『レレットニューヨーク(Lelet NY)』など、若手デザイナーのアイテムを多く使っているので、そういった若手ブランドのアイテムにも注目してほしいです」
--ここからは現在公開中の最新作、シーズン4についてお伺いさせてください。シーズン4での注目ポイントやお気に入りルックは? 「まずは、シーズン4のキービジュアルのルック。ベトナム人のデザイナーによる『SIXDO』というブランドのドレスですが、本当にきれいなんです。パート2の中でローマが舞台となる“ローマの休日”パートでもホワイトジャケットやスカーフなどたくさん使用していてお気に入りブランドです。
また、私は服を作って売るということはしないけれど、衣装デザイナーとして衣装を制作することがあります。たとえば、ヴィンテージの『ディオール』のファブリックで、彼女のためにスーツを作ったのでそういったルックにも注目していただきたいです」