〈生存率15%から生還〉山﨑努が「食道がんステージ4」体験を初めて明かした《87歳で抗がん剤治療に踏み切れた理由》
がんの専門医の先生の決断
直子 そのあと、最初に一対一で話したがんの専門医の先生の存在も大きかった。 努 抗がん剤治療専門の先生が、最初に2人きりでお会いしたいと言ってね。 30代後半ぐらいの無口な人で、会っても全然喋らないんだ。しばらく2人で黙って窓から空を見てた。しかたがない、こちらから世間話ふうに色んなことを喋ったの。 その中で僕が「もう充分生きましたから」みたいなことを言ったんだ。そうしたら、初めて「その言葉で安心しました。思い切って治療に踏み切れます」って決断してくれた。 僕が87歳(当時)という齢で、彼はそんな年寄りを診たことがなかったんだね。抗がん剤をどのぐらい使ったらいいか、患者の精神状態はどうなるのか、そういうことがとても不安だったらしい〉 ◇ このほかにも、がん告知のときの様子や医師との関係、抗がん剤の副作用、のどを鍛えるリハビリなどについて、これまでのキャリアを振り返りながら語っている。「 山﨑努 食道がん体験報告 生存率15%からの生還 」は、月刊誌「文藝春秋」2月号(1月10日発売)及び「 文藝春秋 電子版 」(1月9日公開)に掲載される。
「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2025年2月号