鳥取砂丘で高校生発案の土産品 除草した草で開発した和紙使う
鳥取砂丘の新しい土産品「チガヤ和紙絵はがき」の販売が12月7日、鳥取砂丘ビジターセンター(鳥取市福部町湯山)で始まる。(鳥取経済新聞) 【写真】「チガヤ和紙絵はがき」5種 同センターは鳥取砂丘の総合案内所として、砂丘の歴史紹介や教育プログラム、ガイドツアー、観光案内を行うほか、砂丘の砂を使った砂絵ポストカードやロゴ入りトートバッグなど、オリジナル土産品の企画・販売も手がける。 今回の商品は、2022年に行われた高校生による模擬議会「高校生議会」の提案がきっかけとなって生まれた。同議会では「除草した草を再利用してアップサイクル商品を作る」というアイデアが発表され、破棄される予定だった資源に新たな価値を与える取り組みとして注目を集めた。 同センターではこの提案を受けて2022年から検討を開始。和紙工房「かみんぐさじ」の協力を得て、草の配合率や種類を試行錯誤しながらオリジナルのチガヤ和紙を完成させた。約1年の開発期間を経て、今年7月には第1弾として「チガヤ和紙レターセット」を販売。今回、第2弾として「チガヤ和紙絵はがき」の販売に至ったという。 副館長の居川凌さんは「薄い紙を作るのは難しかったが、厚めの紙を使用することで商品化が実現した。高校生が提案したアップサイクルのアイデアが形になり、良い事例となった」と話す。さらに、「砂丘を訪れる小学生や県外の観光客に、商品や展示を通じてアップサイクルの取り組みを伝えていきたい。今後は、砂丘を代表する主力商品としてさらに展開を広げていきたい」と意気込む。 販売開始を記念して12月7日、1階特設会場でトークショーを開催。絵はがきのイラストを担当した、鳥取市出身・在住のイラストレーター、伊吹春香さんが登壇し、作品に込めた思いやデザインのポイントなどを解説する。伊吹さんは、鳥取県オリジナルブランドいちご「とっておき」のイラストを手がけた実績も持つ。併せて、チガヤ和紙の開発に協力した和紙工房「かみんぐさじ」担当者も登壇し、除草した草をアップサイクルする際の工夫や制作過程のエピソードを紹介する。トークショー終了後には絵はがきの販売を始め、購入客限定で伊吹さんによるサイン会も行う。 新商品「チガヤ和紙絵はがき」は、鳥取砂丘の自然や景色をテーマにした全5種類を用意。価格は1枚300円。 営業時間は9時~17時。トークショーの開催時間は15時~15時30分。参加無料。事前申し込み不要。
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