森泰斗騎手、晴れやかに引退会見「ジャンクフードなどを食べて、だらしない生活がしてみたい」 今後は「ゆっくり考えたい」【競馬】
◇29日 「船橋競馬の森泰斗が引退会見」 15日に電撃引退を発表した船橋競馬所属の森泰斗騎手(43)が29日、最終日の騎乗を前に船橋競馬場で記者会見を開き、詰めかけた報道陣を前に晴れやかな表情で引退に至った経緯などを話した。 ◇ ◇ 現在も全国リーディングで首位を走るトップジョッキーは自らの勝負服に身を包み「心技体という言葉がありますが、心と体の部分が衰えてきたことが大きいですね。体はけがや手術の影響もあり、特に右足首が思うように動かない状態が続いていました。心の方は親交のある騎手が大きな事故に遭ったり、仲間の死亡事故などを受けて、これまでは感じなかった『怖い』という気持ちが芽生えてしまいました。2年ぐらい前から、下り坂にいるなという実感もありましたので」と胸の内を語り、騎手人生の幕引きを決断した。 まだ40代前半。今後について「今のところは白紙です。ただ、初めて馬に乗ってから30年以上の経験があるので馬や競馬に対する知見を生かし、何かしらの形で携わっていければと。調教師も選択肢のひとつですが、これまでに2度受けていますし、今はゆっくり考えたいです」と話した。 26年8カ月の騎手生活を振り返って「いいこともありましたが、苦しかったことばかり覚えています」と数々の苦難があったことを強調し、騎手としての自己採点には「80点くらいですかね…。後悔する部分もあるが、たくさん勝たせてもらったし、充実した人生だったと思う。これからは、食べたい物を食べられることを楽しみにしています。ジャンクフードなどを食べて、だらしない生活がしてみたい」と笑顔で会見を締めくくった。 ◆森 泰斗(もり・たいと) 1981(昭和56)年1月11日生まれの43歳。千葉県出身。千葉県騎手会所属。血液型AB。初騎乗は98年4月18日の宇都宮競馬場。足利所属の2000年に騎手免許を返上し、01年に再取得。北関東競馬の廃止に伴い03年に宇都宮へ移籍し、05年から船橋所属。地方競馬全国リーディング(15、16、19~21年)、南関東競馬リーディング(14~16年、18~22年)獲得。地方競馬通算2万8325戦4444勝。重賞71勝。中央競馬通算210戦11勝。
中日スポーツ