運航費補助、過去最高見込む 4路線対象に10億円超 鹿県奄美地域離島航空路線協議会
鹿児島県奄美地域離島航空路線協議会の2024年度会合が19日、鹿児島市の県庁であった。国と県が半額ずつ負担する25年度の運航費補助対象路線は、前年度と同じ日本エアコミューター(JAC)の4路線(喜界―鹿児島、徳之島―奄美、沖永良部―鹿児島、与論―奄美)に決めた。補助経費合計(見込み)は、燃料費や人件費といった運航コストの上昇に伴い昨年度より約4億円増え、過去最高の10億5214万9千円。年内に国へ申請する。 同協議会は奄美群島12市町村の首長、航空会社代表、県の担当者ら17人で構成。採算面などで課題を抱える路線への運航費補助について審議している。 会合で竹内文紀県地域政策総括監は「離島航空路線は離島住民にとって必要不可欠な交通手段であるが、人口減少などに伴い厳しい経営環境に置かれている。県としては引き続き国と協調して離島航空路線の維持を図り、世界自然遺産登録を契機に、奄美群島のより一層の交流人口の拡大に向け取り組んでいく」などとあいさつした。 会合は冒頭を除き非公開。事務局の県交通政策課によると、25年度の各対象路線の補助経費は▽喜界―鹿児島3億3420万4千円▽徳之島―奄美1億7020万円▽沖永良部―鹿児島4億8040万4千円▽与論―奄美6734万1千円に設定した。 対象路線のうち、徳之島―奄美線は住民らの移動手段として重要な役割を果たす一方、運航距離が短く需要も少ないことから、長年採算面で課題を抱えており、1999年から継続して運航費補助の対象となっている。 会合では地元自治体から、奄美―沖縄線の直行便再開や沖永良部空港発着便の使用機材の変更、欠航・遅延対策、運賃軽減などについての意見・要望もあった。
奄美の南海日日新聞