1往復550万円だが背に腹は…生活物資担うフェリー屋久島2欠航2カ月半、代替船の安定運航へ町が1.1億円支出決める 県は静観の構え
鹿児島と屋久島を直通で結ぶ「フェリー屋久島2」の長期欠航を受け、屋久島町は20日、代替輸送手段として貨物船「ぶーげんびりあ」の臨時運航を継続させる関連経費1億1550万円の支出を決めた。来年1月末までの分で、事業者と早期に運航・荷役業務の委託契約を結ぶ考え。 【写真】〈関連〉2月10日、火災事故で欠航した十島村営船の代替船として、村へ運ぶ荷物を積み込む貨物船「ぶーげんびりあ」=鹿児島市七ツ島1丁目の谷山港
同日の町議会最終本会議に補正予算案を提出し、全会一致で可決された。1往復にかかる経費を550万円とし、12月は既に運航した実績を含めて9~30日の計9回分、1月は週3往復で計12回分を計上した。財政調整基金を充てる。 ぶーげんびりあの臨時運航について、荒木耕治町長は「これまで非常事態対応として事業者に頼っている状況だった」と説明。運航日程が直前まで決まらないケースもあり、代替輸送手段を安定確保しておきたい狙いがある。 一方、町によると、代替輸送を担う事業者側は、県を交えた支援体制を求めている。県交通政策課は取材に「屋久島2は島民の生活を守るために必要な交通手段」としつつ、町への支援について「現時点で決まったものはない」と答えた。 屋久島2は10月4日の定期点検でエンジン機器のトラブルが見つかり、翌日から欠航している。運航再開のめどは立っていない。
南日本新聞 | 鹿児島