円は対ドルで143円台半ば、中国の金融緩和で一時売り優勢に
(ブルームバーグ): 24日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=143円台半ばで推移。中国人民銀行(中央銀行)が景気支援策として主要短期金利や銀行の預金準備率の引き下げを発表し、投資家心理の改善によるリスク選好で円は主要通貨に対して一時売りが優勢となった。
オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは、中国の景気刺激策に株高で反応してリスクオンとなり、「クロス円全般で円売りになったほか、人民元が対ドルで売られたことに連れて円も対ドルで下落した」と説明。もっとも、中国は「本来ならもっと利下げをしていてもおかしくない状況で、初期反応のリスクオンが続くかは懐疑的だ」とした。
三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、先週末の日本銀行の金融政策決定会合を受け、海外投資家の間で正常化の歩みが遅くなるとの観測や、自民総裁選で高市氏が選出された場合に「緩和姿勢を続けるのではないかとの見方」が出ており、円売り圧力が続きやすいとみている。
日銀の植田総裁は大阪経済4団体共催懇談会で講演し、その後記者会見する。野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストはリポートで「米連邦公開市場委員会(FOMC)後の市場反応や米景気についての見方を確認したい」と記した。
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Daisuke Sakai