【ラグビー】御所実・竹田寛行監督の就任35周年記念式典を開催。永遠のライバル、天理とのOB戦も実現。
1989年(平成元年)に御所実(当時は御所工)に赴任し、同校ラグビー部を全国有数の強豪に育て上げた竹田寛行監督の就任35周年記念式典が、7月7日に御所実グラウンドで開催された。 情熱あふれる指導と緻密なコーチングで数多くの好選手を輩出し、名門の天理が君臨する奈良県で14回の花園出場を果たした竹田監督。これまで花園決勝の舞台に4度立ち、春の選抜大会でも準優勝2回という堂々たる成績を残してきた。卓越した育成力と面倒見のよさで多くの指導者に慕われ、毎週のように全国からさまざまなチームが御所の地を訪れることでも知られる。 そんな名将の節目を祝うべく、この日の午前中には永遠のライバル、天理とのOB戦が御所実グラウンドでおこなわれた。毎年奈良県予選で熾烈な戦いを繰り広げてきた両校だが、OB戦を開催するのは今回が初めて。まさに歴史的な一戦とあってお互いさまざまな年代のOBが駆けつけ、記念すべき日をおおいに盛り上げた。 試合は入替自由、ノータックルというルールで始まったが、いざ実戦となれば往時の血が騒ぐようで、次第にコンタクト局面もヒートアップ。グラウンドいっぱいを使ったオープンアタック、スピーディーなラン攻撃に華麗なオフロードパス、さらには激しいタックルや固い結束のモールなど、随所に両校らしさが表れるゲームとなった。 御所工ラグビー部の一期生で、式典の実行委員長として“ドリームマッチ”の実現に尽力した御所実サポーターズクラブの中島弘行会長は、この一戦に込めた思いをこう語る。 「何年も前からお互いのOBが集まる機会を作ろうと話をしていて、竹田先生の就任35周年記念なら集まりやすいだろうということで、今回ようやく開催することができました。今後は定期的なイベントとして、毎年ホストを入れ替えながらやっていこうという話も進んでいます。こうして盛り上げることで、奈良県のラグビーの発展につながっていけばと思っています」 一方、「お互い上から下までいろんな世代が集まり、楽しい1日を過ごしたいという思いがずっとあって、それをようやく実現できました。ラグビーっていいなと思いましたし、もっと早くやっておけばよかったと感じる時間でした」と振り返ったのは、天理側のまとめ役となった前田準二さん(昭和63年卒)だ。来年は高校、大学とも天理ラグビーが100周年を迎えるため、天理がホストとして開催を考えているとのこと。「いい意味でお互いにリスペクトし合う関係ですし、こうやって楽しくプレーできたのはラグビーだからこそだと思う。今後もぜひ継続していきたいですね」と意気込みを語った。 なお午後からは、竹田監督の近況報告と35年の指導者人生を振り返る講演も催された。多くのOBや現役の部員たち、保護者が見守る中、懐かしいエピソードの数々が披露されたほか、学校部活動から地域スポーツへの移行が進む現状にあってクラブとしてどう進んでいくべきかを、熱いメッセージとともに語った竹田監督。旧交を温め、たくさんの笑顔にあふれた1日を振り返り、「自分たちの活動が地域のエネルギーになればいいなと思いますし、こうしたことから奈良県のラグビーと地域の発展につなげていければと思っています。こうやって多くの方々に集まっていただき、幸せな1日でした」と充実の表情で感謝の思いを伝えた。